前回の更新から半年以上が経過しました。
予告なしに更新が途絶えましたことを、深くお詫び申し上げます。
更新を中断している理由について、正直に告白いたします。
私が当サイトの更新をしない理由は、ネット上で記事を公開するとAIに盗用されるからです。
パソコンを使っている人ならわかると思いますが、現在、Googleを使って検索をすると、「AIによる概要」と称して検索1ページ目の上位に(たいがいはトップに)AIの回答が表示されるようになっています。
検索して調べようとすると、AIが先に答えます。
そのため、検索して当サイトにたどり着く人が激減しました。
当サイトは小説の創作法や文章の書き方についての記事が多いため、ワープロを利用しているパソコン・ユーザーのアクセスが全体のおよそ半数を占めていました。
ですが、パソコンで検索をするとAIが先に答えてしまうため、私のサイトを訪れる人が日を追うごとに減少しました。
そして、私たちWEBライターからアクセスを奪っている「AIによる概要」は、私たちWEBライターの記事から盗用したものです。
その手口は、9年前の2016年に社会的な問題となったキュレーション・サイト(まとめサイト)と、まったくおなじです。
- ネット上の複数の記事から盗用して情報を羅列――その結果、情報に統一性がなく矛盾だらけで、誤情報が多い
- 著作権を侵害している
- 組織ぐるみでSEO対策をしているため検索上位に表示される――その結果、オリジナルのサイト(盗用されたサイト)のアクセスがなくなる
見てのとおり、いま現在「AIによる概要」がやっていることとまったく一緒です。
9年前のキュレーション・サイト問題では、運営者は猛バッシングを受けたすえに業務の改善をおこないました。
DeNAは代表取締役社長兼CEOが記者会見を開き、陳謝しています。
9年前のキュレーション・サイト問題と手口はまったく一緒なのですが、今回は人の手によるものではなく、AIにやらせています。
「AIが勝手にやったことだから」を口実に、誰も責任をとらない可能性が高いです。
正直、手の施しようがありません。
何かを書いて公開すれば、盗まれるだけ――
それをわかったうえで書くことは、泥棒に加担するのとおなじ――
あなたは、どう思いますか?
もしあなたがWEBライターだったら、それでも書いて公開しますか?
*
更新を中断した昨年末から、人々の活字離れが進行していることもあって、作家活動に行き詰まりを感じていました。
そして、そのようなときにGoogleが「AIによる概要」と称する「AIによる盗用」をはじめました。
ネット上で記事を公開したら、AIが盗用するネタを与えるだけ――
作家活動に限界を感じ、何もできなくなりました。
そして私は、ほかの分野への転向を真剣に考えました。
動画クリエイターになるために動画の作り方を独学で研究したり、絶対に手をつけないと決めていたアダルト・コンテンツという可能性も本気で考えました。
とはいえ、作家以外のことをやろうとすればするほど、自分は作家なのだと痛感しました。
そもそも、そんなことをやるために長い年月をかけて作家修業をしたわけではないのですから。
私が当サイトの記事で書いていることは、自己啓発の話にしても、小説の書き方にしても、すべて私の体験がもとになっています。
失敗して、つらい思いをしながら、身をもって学んだことを、伝え惜しみすることなく書いたものです。
それはすなわち、インスパイアのため――人を励まし、勇気づけるために書いたものです。
泥棒に盗ませるために書いたものではありません。
*
とはいえ、作家にとって「書いて伝えたい衝動」は抑えがたく、先日、別サイトの『月尾ボクシングジム物語』で更新を再開し、ボクシング・エッセイの記事をひとつ投稿しました。
ですが、いまでは後悔しています。
やはり、やるべきではありませんでした。
*
WEB上で記事を書いたら盗用される――
しかもAIがやっていることなので責任を問えない――
この問題が解決するまで、記事を書くことはできません。
なにとぞご理解くださいますよう、よろしくお願い申し上げます。
2025年7月3日 本条克明