2024年12月7日土曜日

潜在意識を使う基本は『暗示』


 潜在意識は、『暗示(あんじ)』にしたがって作用します。
 潜在意識の『力』を使う場合も、暗示が基本になります。
 いわゆる「自己暗示」です。


自己暗示の効果的なやり方


 ページ内目次


潜在意識に暗示をかける方法


 自分の潜在意識に暗示をかける(自己暗示)には、次のような方法があります。

  1. 思考
  2. 言葉
  3. イメージ
  4. 行動(体験)

 1から4まで数をいれたのは、暗示力にちがいがあるからです。
 数が大きくなるほど、暗示力が強くなります。


『思考』や『言葉』による暗示


 1の『思考』と、2の『言葉』についてご説明します。

 本質的に『思考』と『言葉』はおなじものです。
 というのも、私たちの思考(意識による思考)というのは、言葉で考えているからです。

 ですが、口にだしたり、紙に書いたりした『言葉』は、思考よりも暗示力が強くなります
「話す」、「書く」という『行動』が加わるからです。


 ただし、これには例外があります。

 声にだしたり、紙に書いたりせず、祈るようにして思考に集中したほうが、自分の内側(潜在意識)に語りかけている感覚がある――
 という人もいるからです。

 このような人は、『言葉』よりも『思考』のほうが暗示力が高くなります。


『イメージ』による暗示


 3の『イメージ』は、『思考』や『言葉』よりも強い暗示力をもっています。

『イメージ』というのは、ヴィジュアル(画像、映像)や、サウンド(音)のことです。
 これらを使った暗示は、潜在意識に伝わりやすいです。

 その理由は、潜在意識がイメージ思考だからです。
 潜在意識は、イメージで考えているんですね。

 たとえば「夢」――
 夢というのは、潜在意識の思考そのものです。
 夢は、物語化された映像でありイメージです。
 あれが、潜在意識の思考です。


 イメージは、潜在意識がもっとも理解しやすい言語です。
 そのため、イメージを使った暗示は、潜在意識にダイレクトに伝わります。


『行動』による暗示


 もっとも強力な暗示は、4の『行動(体験)』です。
 これは、潜在意識がイメージ思考だからです。

 言うまでもありませんが、もっともリアルで鮮明なイメージは、実際に行動したこと(体験したこと)です。
 リアルそのものなんですから、当たり前ですよね(笑

 行動や体験はもっともリアルなイメージですので、強力な暗示になります

 それはつまり、思考、言葉、イメージによって肯定暗示をかけても、行動が否定的だったら、潜在意識は行動のほうを暗示として受け入れてしまう、ということです。

「私はできる!」とくり返し唱えても、なまけてばかりで努力をしないようであれば、何もできるようにはなりません。
「できない」という行動と体験を積み重ねているからです。

 逆に、
「できる」
「できた」
 という体験をする人は、それが潜在意識への強い暗示になります。
 内側から自信がわきあがり、さらなる成功を引き寄せます。

こちらをご参考ください


思考、言葉、イメージによる暗示で肯定感を養う――
そのポジティブな心理状態にしたがって、ポジティブな行動をとる――

 それが、もっとも理にかなった、もっとも効果のでやすい自己肯定暗示のやり方だと言えます。


くり返すことによって暗示が強力になる


 暗示は「くり返し」によって潜在意識に深く刻まれていきます。

テレビや動画サイトのCMが一日に何度も流されるのも――
スポーツ選手がおなじ動作を反復練習するのも――
英単語を覚えるために何度もおなじ単語を書くのも――

 くり返すことによって潜在意識に深く刻み込まれることを、私たちがすでに知っているからなんですね。

 自己暗示においても、暗示の効果を高めるために、くり返すことが重要になります。
思考や言葉――
イメージ――
行動、体験――
 それらはくり返すことによって、暗示力が増していきます。


 ですが、くり返すまでもなく、すぐに暗示が成功するケースがあります。
 たった1回で、潜在意識の奥まで暗示が刻み込まれることもあります。
「想(おも)い」が強い場合です。

 自己暗示は、「想い」が強く込められているほど、暗示力が高くなります

 逆に、「想い」がまったく込められていない暗示は、何度くり返しても潜在意識に伝わりません。
「想い」を込めることは、くり返し以上に重要だと言えます。

 では、「想い」を込めるとは、どういうことなのでしょう?

 その答えは、「感情」です。
 感情をともなわせること――それが、「想い」を込めるということです

 引き寄せの法則や成功哲学をうたった書籍では、「思考は現実化する」という理論を説いていますが、事実ではありません。
 事実は、「想い(感情をともなった思考)が現実化する」なんですね。

こちらをご参考ください
(当サイトの別記事 自己肯定暗示でうつを克服するまで より)


 単なる「思考」ではなく、そこに「感情」がともなっているとき、潜在意識はそれを暗示として受け取ります。
 つまり、『快=喜び』をともなっていることが、自己肯定暗示を成功させる秘訣になるということです。

 そして、「想い」を込めた暗示をくり返しおこなえば、それはより強力な自己暗示になります。


暗示は日常的なもの


 思考、言葉、イメージ、行動――それらは潜在意識への暗示になります。
 それはつまり、私たちは日常において、自分にも他人にもたえず暗示をかけているということです。

誰かに言われたこと――
あなたが思ったり言ったりしたこと――
なにげない空想や妄想――
あなたの日々の行動や体験――

 それらはみな、潜在意識への暗示になります。
 そして、その多くは否定的なものであり、ほとんどの人が知らず知らずのうちに否定暗示にかかっています。

 無自覚なままでいると、潜在意識の『力』を自分にとって不利に使ってしまいます。

 暗示に対する理解を深めましょう。
 そして、潜在意識の強大な『力』を、自分にとって有利に働かせましょう。


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