今回は、「ある」という言葉を活用した、
「自己肯定感を高めるアファメーション」
についてお話しいたします。
肯定語と潜在意識
アファメーションというのは、みじかいフレーズによる自己暗示文のことです。
もとは「宣言」という意味の言葉なのですが、自分自身に宣言することが自己肯定暗示になるため「自己暗示文」という意味で使われています。
ページ内目次
潜在意識は純粋な「否定語」を理解している
潜在意識は否定形が理解できません。
「~ない」
「~ではない」
という言いまわしの言葉が、潜在意識は理解できないのです。
※こちらをご参考ください
低めのボールに手をだして凡退(ぼんたい)しているバッターに対して、
「低めに手をだすな」
という言い方をすると、低めのボールに意識がいってしまい、かえって低めに手をだしやすくなります。
ガードをさげて無防備になっているボクサーに対して、
「ガードをさげるな」
という言い方をすると、ガードをさげた状態をイメージしてしまい、かえってガードが低くなってしまいます。
このように、潜在意識というのは「否定形」が理解できないのですが……。
じつは純粋な「否定語」を、潜在意識は理解しているんですね。
つまり、
「ない」
「いない」
という言葉です。
そのため、
「○○がない」
「○○がいない」
という言葉は、強烈な否定暗示になります。
「私には、才能がない」
「私には、お金がない」
「私には、友達がいない」
「私には、恋人がいない」
そういった言葉は潜在意識に対して強い暗示になるため、求めているものや人をますます遠ざけ、否定感情(苦悩=不快)を増大させます。
潜在意識は純粋な「肯定語」も理解している
潜在意識は、純粋な「否定語」を理解しています。
ですので、とうぜんのことながら純粋な「肯定語」も潜在意識は理解しています。
つまり、
「ある」
「いる」
という言葉です。
そのため、
「○○がある」
「○○がいる」
という言葉は、強烈な肯定暗示になります。
「私には、才能がある」
「私には、お金がある」
「私には、友達がいる」
「私には、恋人がいる」
そういった言葉は潜在意識に対する強い暗示になるため、求めているものや人をさらに引き寄せ、肯定感情(喜び=快)を増大させます。
「否定形」はわからないのに純粋な「否定語」はわかる理由
潜在意識は「否定形」を理解できないのに、なぜ純粋な「否定語」は理解できるのでしょう?
それは、潜在意識がイメージ思考だからです。
イメージというのは「ある」か「ない」かの二進法です。
「ある」けどそれはちがう、というイメージはできません。
「ある」のなら、それはそのとおりに「ある」のです。
映像を見せておいて「この映像は存在しません」と言っても、映像を見てしまったあとでは打ち消すことができないからです。
否定形を使った言葉――「ガードをさげるな」というフレーズは、
「ガードをさげる」
という状態の打ち消しになるのですが、「ガードをさげる」というイメージを思い浮かべた以上、潜在意識はそれを打ち消すことができません。
ですが、「ない」という言葉は二進法そのものですので、潜在意識にダイレクトに意味が伝わります。
そのため、
「お金がない」
という言葉を受け取ると、「お金の全面否定」と潜在意識は解釈し、お金が遠ざかるようにしむけます。
これが、「否定形」は理解できないのに「否定語」は理解できる、という潜在意識のメカニズムです。
自己肯定感を高めるアファメーション
潜在意識は純粋な「肯定語」を理解しているので、
「ある」
「いる」
という言葉を使ったフレーズが、強烈な肯定暗示になります。
そのため、「ある」「いる」という言葉を使ってアファメーションを作成すると、強力な肯定暗示文になります。
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「私には、やさしさがある」
「私には、思いやりがある」
「私には、愛がある」
「私には、力がある」
「私には、強さがある」
「私には、魅力がある」
「私には、才能がある」
「私には、明晰(めいせき)な頭脳がある」
「私には、知恵がある」
「私には、ひらめきがある」
「私には、アイデアがある」
「私には、すばらしい未来がある」
「私には、家族がいる」
「私には、友達がいる」
「私には、仲間がいる」
「私には、味方がいる」
「私には、大切な人がいる」
「この世界のどこかに、私の『運命の人』がいる」
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これらのフレーズを読んでいるだけでも、なんだか気分が良くなってきますよね。
「ある」「いる」というシンプルな肯定語は、潜在意識にダイレクトに伝わります。
そのため、暗示力がとても強いんですね。
「ある」という言葉で最適なアファメーションをつくる
「ある」「いる」という言葉を使って、あなたに合ったアファメーションをつくりましょう。
つまり、あなたが望むものや、あなたが肯定したいものと、「ある」「いる」という言葉を結びつけるのです。
「(私には)お金がある」
「(私には)恋人がいる」
といったように。
そして、作成したアファメーションを、何回か唱(とな)えてみましょう。
唱えたときに気分が高揚するような『快』の感覚がある場合は、そのアファメーションはあなたに合っています。
くり返し唱えて、潜在意識に定着させましょう。
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もし唱えたときに、自分にうそをついているような否定的な感覚がある場合は、そのアファメーションは却下したほうが良いでしょう。
唱えたときに否定感があるのは、潜在意識が暗示のとおりにイメージをしていないからです。
潜在意識と対立する暗示をおこなうと「努力逆転の法則」が起こり、逆効果になる可能性があります。
※「努力逆転の法則」とは、潜在意識にある観念(想像力)と正反対のことを意識の力でやろうとすると、潜在意識が反発し、逆効果になる現象のことです。
どうしても『快』のあるアファメーションがうまくつくれない場合は、
「いま現在、実際にあるもの」
に限定して「ある」「いる」と唱えてみましょう。
「私には、命がある」
「私には、家族がいる」
事実として「あるもの」や「いる人」をアファメーションにして、それをくり返し唱えるようにしましょう。
その場合は、自分に対してうそをついている感覚――否定的な感覚がないので、「努力逆転の法則」が起こるのをふせぐことができます。
「ないもの」から「あるもの」へ意識の焦点が切り替わると、心の肯定性が高まっていきます。
それをくり返すことによって、自己肯定感を潜在意識に深く刻み込むことができます。
心の豊かさがあれば、さらに豊かになる
「私には、○○がある」
「私には、○○がいる」
というアファメーションは、強烈な自己肯定暗示です。
これをくり返すことによって、自己肯定感が高まり、自信がわきあがってきます。
意識の焦点が「ない」に合っているのか、それとも「ある」に合っているのか――
それによって正反対と言えるほど心の状態や引き寄せる現象が変わってきます。
良いもの――
良いこと――
良い人――
それらを「ある」「いる」という言葉で大胆に肯定しましょう。
そのときあなたは、潜在意識レベルで「持っている人」――「心の豊かな人」になります。
そして、さらなる豊かさが、あなたにもたらされるようになります。
※自己肯定暗示に関するほかのお話
※本条克明の自己肯定暗示法(読む肯定暗示)