広告

2024年12月20日金曜日

黄金律をやってみよう


 クリスマスまであとわずかとなりました。
 クリスマスは、言うまでもなくイエス・キリストの聖誕祭(せいたんさい)です。
 そして、キリスト教徒でなくてもクリスマスを祝って楽しむのが日本という国です。
 私もそのひとりですしね(笑

 でも、どうせなら聖誕祭に便乗するだけではなく、この機にイエス・キリストが伝えた「生き方」について考えてみましょう。

 つまり黄金律(おうごんりつ)です。


黄金律という生き方


 ページ内目次


ゴールデン・ルールはシンプル


 イエス・キリストは数々の教えを説いているのですが、そのなかに「黄金律(ゴールデン・ルール)」と呼ばれているものがあります。

 黄金律とは、この上なく価値のあるルールのこと――
 つまり、
「これさえ守っていれば、正しい生き方ができる」
 と言えるほど、深くて重みのあるルール(戒律)のことです。

 このような言い方をすると、ものすごく厳格な決まりごとのように感じるかもしれませんが、その内容はいたってシンプルです。

**********
 それで、何事でも、自分にしてもらいたいことは、ほかの人にもそのようにしなさい。

『新約聖書』 マタイの福音書 7章12節
**********


 本当にシンプルですよね。

自分がしてほしいことを、ほかの人にもしてあげよう――

 じつに簡単な教えです。

 もちろんこの言葉には、
「自分がしてもらいたくないことは、ほかの人にもしないようにしなさい」
 という意味もふくまれています。


黄金律は「自-他」を超越する技法


 黄金律は、山上の垂訓(さんじょうの・すいくん)のなかの一節です。

山上の垂訓 …… イエス・キリストが山の上で群衆や弟子たちにむかって語った教えのこと。


自分にしてもらいたいことは、ほかの人にもそのようにしなさい

 これを「黄金律」と名付けたのはイエス・キリストではなく、後世の人たちです。
 ですが、私もこの言葉はゴールデン・ルールと呼ぶにふさわしいものだと思います。

 イエス・キリストは山上の垂訓のなかで、こんなことも言っています。

**********
 さばいてはいけません。さばかれないためです。
 あなたがたがさばくとおりに、あなたがたもさばかれ、あなたがたが量(はか)るとおりに、あなたがたも量られるからです。

『新約聖書 マタイの福音書 7章1節~2節
**********

「さばいてはいけません」とは、「人を責(せ)めてはいけません」という意味です。

人を責めると、自分もおなじように責められることになる――
人を評価すると、自分もおなじように評価されることになる――

 イエス・キリストは、このようなことをたびたび説いています。
 投げかけたもの(他人にしたこと)は、いずれ自分に返ってくる――という考え方が、キリストの教えの中核になっています。
 ブッダ(お釈迦さま)が説いた「因果応報(いんがおうほう)」とよく似ていますね。


 イエス・キリストの教えは、「自分」と「他人」の分離感を超えています
自分も他人も同一である――
だから、自分も、他人も、おなじように大切にしなければいけない――
 イエス・キリストはこの世界を生きる人々に、そのような指針を示しています。

 ここで「他人にしたことが本当に自分に返ってくるのか?」という議論をしても、意味はありません。
 宗教で説かれていること、聖人・賢者たちが説いていることは、教義や思想ではなく、「技法」もしくは「方便」だからです。

こちらをご参照ください


 黄金律は、「他人にしたことが本当に自分に返ってくるのか」などという損得勘定の話ではありません。

 そんな低次な話ではなく、
「人に喜んでもらえたら、自分もうれしい」
 という喜びの共感――純粋な肯定感情を呼び起こす『方法』として、黄金律はたいへん価値のあるものです。


黄金律のやり方


 というわけで――
 さっそく黄金律をやってみましょう。

************
 まず「人にしてもらえたら、うれしいこと」を考えます。
 紙に書くのも良いでしょう。

  • 微笑んでくれたら、うれしい
  • やさしくしてもらえたら、うれしい
  • 自分のいいところを褒(ほ)めてくれたら、うれしい
  • 好意的に心を開いてくれたら、うれしい
  • 認めてもらえたら、うれしい
  • リスペクト(尊敬)してくれたら、うれしい
  • 感謝してもらえたら、うれしい
  • 仕事に責任をもってくれたら、うれしい
  • こまっているときに助けてくれたら、うれしい

 そんな感じで「人にしてもらえたら、うれしいこと」を明確にしましょう。

 そしてそれが、人間関係におけるあなたのルールになります

 つまり、「人にしてもらえたら、うれしいこと」を、日々の生活のなかで、ほかの人たちにしてあげるように心がけるのです。
************


黄金律は「生き方」に対する答え


「どう生きるか」という問題は、すべての人に与えられている課題です。
 そして、この「どう生きるか」に対する答えを、イエス・キリストは示してくれました。

自分がしてほしいことを、人にしてあげる――

 とてもシンプルです。
 そして、とてもやさしいです。

 もしかすると黄金律はルール(戒律)ではなく、
「どうすれば、やさしい生き方ができるのか?」
 ということを、イエス・キリストが教えてくれたのかもしれませんね。


当記事における引用は『新改訳 新約聖書 詩編付』(いのちのことば社 1970年)よりおこなっています。

関連しているお話
精神世界(ラベル)
生き方・自己啓発(ラベル)

「先に好意を示す」に関するお話
(別サイト『恋とは幸せなものなんだ』の恋愛エッセイ)



更新
2024年12月22日 リンクを追加。