小説などの文章では、句点(。)の代わりに、疑問符(?)や感嘆符(!)を使うことがあります。
疑問符や感嘆符を使う場合、業界の「慣習」と呼べるものがあります。
と言っても、「ルール」と呼べるほどの厳格な決まりではないので、ネット上で文章を書いたり、アマチュア作家としてやっていくのであれば特に守る必要はありません。
ですが、もし出版社が主催する「~新人賞」などの公募に作品を送ることを考えている場合は、これが守られていないと、ろくに読まれることがないまま一次審査(下読み)でおとされる可能性が高くなります。
疑問符や感嘆符の使い方
小説などの文章で疑問符(?)や感嘆符(!)を使う場合、句点(。)の代わりとして用いるのがふつうですよね。
たとえば、作中にこんな台詞(せりふ)があったとします。
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本当か。これは、千載一遇(せんざい・いちぐう)のチャンスかもしれないぞ。
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これだと登場人物の感情があまり伝わらない――
そう感じた場合は、句点の代わりに疑問符や感嘆符を使います。
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本当か?これは、千載一遇のチャンスかもしれないぞ!
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こういうふうに使うものですよね。
疑問符や感嘆符を使うときの慣習
さきほどの例では、「本当か?」のあとに改行をしていますが……
問題なのは、「?」や「!」のあとに、改行せずに次の文をつづける場合なんですね。
アマチュア作家が書いた文章でよく見るのが、こういう書き方です。
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本当か?これは、千載一遇のチャンスかもしれないぞ!
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「本当か?」のあとに、すぐに次の文を書きはじめていますね。
新人賞をめざしている人がこういう書き方をすると、ろくに読まれることがないまま一次選考でおとされる可能性がきわめて高くなります。
プロの作家は、このような書き方をしないからです。
このような書き方をすると、
「プロの作家が書いた小説を読んでいない」
すなわち、
「本になる小説(活字の文章)というものがわかっていない」
「ふだん小説を読まない人(小説を好きではない人)が書いた小説」
と見なされてしまうんですね。
それじゃ、プロの作家の書き方はどういうものなのかと言うと――
要するに、↓こうです。
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本当か? これは、千載一遇のチャンスかもしれないぞ!
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疑問符(?)や感嘆符(!)などの執筆記号のあとに、改行せずに次の文を書く場合は、次の文とのあいだに1文字ぶんの空白をいれます。
これが、業界の慣習にしたがった書き方であり、プロの書き方です。
「なんでわざわざ空白をいれなくちゃいけないんだ?」
そう疑問に思った人もいるかもしれませんね。
もちろん、ちゃんとした理由があります。
印刷された本の文章でも、ワープロで書いた文章でも、ネット上の文章でもかまわないので、ちょっと確認してみてください。
句読点(。や、)をよく見ると、
横書きの場合は左側に寄せて書かれ、
縦書きの場合は上に寄せて書かれていますよね。
そう、句読点というのは、前の文字に寄せて書かれているんですね。
それはつまり、
「句点(。)をつけた場合、そのすぐあとに次の文を書きはじめても、次の文(次の文字)とのあいだに少し空白ができる」
ということです。
句読点というのは、次の文字との境目(さかいめ)がはっきりとわかるようにできているんですね。
ですが、疑問符や感嘆符を、句点(。)の代わりに使った場合は――
「?」や「!」は、おもいっきり1文字です。
原稿用紙で言うと、マス目の真ん中に、マス目いっぱいに書かれています。
そのため「?」や「!」のすぐあとに次の文を書きはじめてしまうと、空白がないため、前の文との境目がなくなってしまいます。
ですので、疑問符(?)や感嘆符(!)のあとに次の文を書くときは、1文字ぶん空白をいれるようにしているんですね。
疑問符や感嘆符の次がダッシュ記号や三点リーダーの場合
疑問符(?)や感嘆符(!)のあとに次の文を書くときに、
次の文の最初がダッシュ記号(――)や三点リーダー(……)などの場合は、この慣習もあいまいになっています。
僕の場合は、空白をいれたほうが見やすいので、1文字ぶん空白をいれるようにしています。
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本当か? ……これは、千載一遇のチャンスかもしれないぞ!
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ですが、出版業界では、次の文の最初がダッシュ記号(――)や三点リーダー(……)の場合は、空白をいれないケースのほうが多いです。
つまり、↓こういう書き方です。
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本当か?……これは、千載一遇のチャンスかもしれないぞ!
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理由はよくわかりませんが、出版社から刊行された本では、このような書き方をすることがほとんどです。
ですので、新人賞をめざしている人は、
- 「?」や「!」のあとに次の文をつづけて書くときは、1文字ぶん空白をいれる
- 次の文の最初が「――」や「……」の場合は、空白をいれずに書く
ということを心がけて書くようにしましょう。
疑問符や感嘆符の次が行頭になる場合は
疑問符(?)や感嘆符(!)のあと、改行せずに次の文を書くときに、疑問符や感嘆符の次が行頭になる場合は、どうなるのでしょう?
やはり1文字ぶんの空白をいれるのでしょうか?
そのようなケースでは、次のようにします。
疑問符や感嘆符の次が行頭にくる場合は、空白をいれません。
「行頭に空白をいれるのは、改行して段落が変わるとき」
そのように覚えておきましょう。
段落が変わっていないのであれば、空白はいれません。
疑問符と感嘆符で1文字の場合
小説などの文章を書いていると、疑問符(?)と感嘆符(!)をくっつけた表記をすることもあるかと思います。
その場合は、それぞれ半角で表記し、
「?!」
といったかたちで、疑問符+感嘆符で1文字になるようにします。
疑問符と感嘆符の順番は、どっちでも一緒です。
「?!」でも、「!?」でも、好きなほうを使ってかまいません。
僕の場合は、たいがい「!?」ですね。
理由はありません。ただなんとなく、そっちのほうが好きなだけです。
「?!」や「!?」という表記は、疑問のなかに『驚き』の感情や『興奮』があることを表現したいときに用いられます。
文章のなかでの使い方は、通常の疑問符や感嘆符と一緒です。
出版社に送る原稿の場合は、業界の慣習にしたがって、「?!」や「!?」のあとに改行せずに次の文を書くときは1文字ぶんの空白をいれます。
日本語のルールというわけではないけど、守ったほうがいい
今回のお話は、あくまでも「出版業界の慣習」であって、日本語のルールというわけではありません。
ですので、出版業界を相手に文章を書く人以外は、気にしなくても問題はないのですが――
ですが、これを守って書いていると、
「文章というものを知ってるな」
「たくさん本を読んだうえで書いてるな」
といった感じで、目の肥えた読者からの評価があがったりします。
実際、執筆記号のあとには空白をいれたほうが読みやすいですしね。
文章を書く人は、参考になさってみてください。
※業界の慣習に関するほかのお話
→ルビ(ふりがな)を付けるときは、業界の基本や慣習がある
→三点リーダーの書き方や使い方には、業界の慣習がある
※執筆記号に関するほかのお話
→ダッシュ記号を小説の文章で使う
※潜在意識の性質を活用した文章法
2024年12月19日 リンクを追加。