2023年12月15日金曜日

肯定暗示文を自分で作成する方法

 
 当サイトにて『読む肯定暗示』を公開しています。


 この肯定暗示文の一覧のなかに「自分の目的に合った暗示文がない」という人もいるかと思います。
 そういう場合は、あなたの目的に合った肯定暗示文を、あなたみずから作成しましょう。


肯定暗示文を作成するためのアドバイス


 肯定暗示文の作成のしかたは、ひとことで言ってしまうと「なんでも有り」です。
 重要なのは、その暗示文があなたにとって心地よい文章であることです。

 あなたが心地よく感じる文章に仕上がっているのであれば、書き方については「なんでも有り」です。
 自由にのびのびと、心が躍(おど)るような文章を心がけて作成しましょう。

 とは言うものの――

 潜在意識の性質や、暗示の効果を高めるテクニックとして、
「こういうことを心がけて作成したほうが良い」
 というものはあります。
 あくまでも「なるべく心がけたほうが良い」ということではあるのですが、よろしければご参考ください。


暗示させたいことと『快』を結びつける


 肯定暗示を成功させる秘訣(ひけつ)は、『快』にあります。
『快』というのは、

 うれしい
 楽しい
 好き
 ありがたい
 ワクワクする
 心地(ここち)よい
 気持ちいい
 気分がいい

 そういった「喜び」の感情や感覚のことです。

 たとえば、『成功』を暗示させたい場合は――

 成功は、心地よい。
 成功は、心が躍る。
 成功は、楽しい。
 成功は、うれしい。
 成功は、とほうもなく気持ちがいい。

 全体の暗示文のなかにこのようなフレーズをいれることで、潜在意識に『成功』を強く暗示させることができます。

 肯定暗示で重要なのは、言葉だけの肯定ではなく、肯定感情(喜び=快)が思考にともなっていることです。
 あなたが暗示させたいことと『快』を結びつけるようにしましょう。
 それによって、肯定暗示の効果を高めることができます。


リズミカルな文章にする


 文章にリズムがあると、潜在意識に言葉が伝わりやすくなります。

 催眠(他者催眠)などでは、催眠者(催眠をかける人)が言葉に独特の抑揚(よくよう)をつけることで言葉にリズムをもたせています。
 ですが、『読む肯定暗示』の場合は文章そのものにリズムが必要です。

 文章にリズムをつけるテクニックとして、
「文を短くする」
 という方法があります。

 一文一文を短く書く――つまり、文のはじめから句点(。)までが短くなるように書く、ということです。
 数行におよぶような長い文の場合は、短く細切れにして複数の文にできないか検討しましょう。

一文一文を短く書くテクニックについては、こちらをご参考ください。


読点を多めにつける


 暗示文では、読点(、)が多めなほうが好ましいです。

 なかには読点を多用すると文章が稚拙(ちせつ)になると感じて抵抗をおぼえる人もいるかもしれませんが――
日本語の文章は、低年齢向けであるほど読点を多く使う傾向があります。

 暗示文の場合は、読点を多用したほうが暗示の効果がでやすいです。
 文章を読んだときに読点があると、無意識的に少し間(ま)をとるからです。
 それによって意味を理解しないまま機械的に読み進めることを防ぐことができます。
 結果として、一語一語が潜在意識に伝わりやすくなります。

 また、読点で区切ることによって、文章にリズムもでやすくなります。


肯定語を使う


 潜在意識には「否定形が理解できない」という性質があります。
 つまり、
「~ない」
「~ではない」
 といった言いまわしが理解できないのです。

こちらをご参考ください。

 たとえば、「失敗しない」という言い方――
 この言葉を使っている当人は「成功する」、「うまくできる」という意味で使っているのですが、潜在意識にはそのように伝わりません。
 潜在意識は否定形が理解できないので、「失敗しない」という言葉からは『失敗』をイメージします。

 この性質を理解していないと、自分の意図とは逆の暗示をかけてしまう可能性があります。
 否定形を使って肯定の表現をするのではなく、ストレートに肯定語を使うように心がけましょう。

「失敗しない」ではなく「成功する」――
「わるくない」ではなく「良い」――
「まけない」ではなく「勝つ」――  
 といったように。

 また、暗示文を作成していると、否定的な言葉や否定的な表現を使わなければならないこともあるかと思います。
 その場合は、否定形を活用して肯定語を使うようにしましょう。

「わるい」ではなく「良くない」――
「まちがっている」ではなく「正しくない」――
「よわい」ではなく「強くない」――
 といったように。

 このような言葉の使い方をすると、ネガティブなことを言っているにもかかわらず、潜在意識には『良い』、『正しい』、『強い』というイメージが残ります。


漢字で書く場合と、ひらがなで書く場合を使いわける


 文字には、表音文字(ひょうおん・もじ)と、表意文字(ひょうい・もじ)という分類があります。

 表音文字というのは、文字そのものに意味はなく、音のみをあらわしている文字のことです。
 ローマ字(アルファベット)などが表音文字に該当します。

 表意文字は、文字自体が意味をもっている文字のことです。
 古代エジプトのヒエログリフ(象形文字)などが表意文字に該当します。

 そして、日本語の文章で使われている文字は――

 かな(カナ)は表音文字です。
 それぞれの字に意味はなく、音のみをあらわしています。

 そして、漢字は表意文字です。
 文字そのものが意味をもっています。

 そう、日本語の文章は、表音文字と表意文字の両方が使われているんですね。

 このことは、肯定暗示文の作成に活用することができます。
 つまり、おなじ言葉でも漢字で書いたほうが潜在意識に伝わりやすく、暗示の効果が高くなるということです。
 漢字は文字そのものに意味があるので、その文字の印象――文字から伝わってくるイメージがあるからです。

 よい    良い、善い
 おおきい  大きい
 つよい   強い
 かつ    勝つ
 たのしい  楽しい
 いとしい  愛しい

 漢字による表記のほうが、文字から伝わってくるものがありますよね。
 これを活用して、肯定的な言葉はできるかぎり漢字で書くように心がけましょう。

 逆に、否定的な言葉を書くときは、なるべくひらがなで表記するようにしましょう。
 名詞をひらがな表記するとおかしな文章になってしまうことがありますが、動詞や形容詞に関しては、漢字を使わずにひらがなで表記してもけっしておかしくありません。
 否定的な言葉をひらがなで表記することによって、文字から伝わってくる否定的なイメージを和(やわ)らげることができます。

 悪い   → わるい
 弱い   → よわい
 負ける → まける
 悩む   → なやむ
 難しい → むずかしい
 苦しい → くるしい

 暗示文は「文章」であるため、肯定的な言葉だけで構成するというのはかなりむずかしいです。
 文章として成立させる以上は、否定的な言葉も使わざるを得ないと思います。
 その場合は、否定的な言葉が潜在意識への暗示にならないように、ひらがなで表記するように心がけましょう。


作成した肯定暗示文を読んだときに『快』の感覚があること


 肯定暗示文(自己暗示文)を作成したら、試しに1回、読んでみましょう。
 そして、読んだときに、
「気分が高揚する」
「心が落ち着いて、心地よい感じがする」
「正しいこと、有益なことをやっているという実感がある」
「前向きな気持ちになってきた」
 そういった『快』の感覚(言葉が心に響く感覚)があるのなら、その暗示文はあなたに合っています。

 その肯定暗示文を継続して読むようにしましょう。
「一日に1~3回読む」
 というやり方を、日々、繰り返すことによって、暗示が潜在意識に深く刻み込まれていきます。

 もし、作成した暗示文を読んだときに『快』の感覚がない場合は――
 その暗示文はあなたに合っていません。
 せっかく作成したのにもったいないと思うかもしれませんが、その暗示文は破棄しましょう。
 あなたに合わない暗示をつづけると「努力逆転の法則」が起こり、逆効果になる可能性があるからです。

「努力逆転の法則」とは、潜在意識にある観念(想像力)と正反対のことを意識の力でやろうとすると、潜在意識が反発し、逆効果になる現象のことです。
例)緊張して不安になっているときに、「私は緊張しない」、「私は落ち着いている」、「私に不安などない」といった意識による努力をすると、潜在意識がそれに対抗し、かえって緊張と不安が大きくなります。


 肯定暗示においてもっとも気をつけなければいけないのは、まさにここなんですね。
 つまり、自分に合っていない暗示をおこなうと、逆効果になってしまうということです。

「読む肯定暗示」では、その暗示文があなたに合っていることが何よりも重要です。
 そして、あなたに合っているかどうかは、読んだときに『快』を感じるか(言葉が心に響く感覚があるか)によって判断することができます。




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