2023年12月17日日曜日

潜在意識への肯定暗示でつまずかないために


 当サイトにて『読む肯定暗示』を公開しています。


 この『読む肯定暗示』の公開は、リスクを覚悟のうえでおこなっています。
 僕は過去にも、エッセイブログのなかで「潜在意識への暗示法」について語ったことがあります。
 しかし、そのサイトは閉鎖に追い込まれました。
 引き寄せの法則などの影響を受けた人たちが集まるようになり、僕が伝えていることとは趣旨が異なるサイトになってしまったからです。


肯定暗示を正しく理解する


 引き寄せの法則や「思考は現実化する」という理論を盲信している人たちは、
「自分の潜在意識に暗示すれば、なんでも、かならず、自分の思いどおりになる」
「自分の潜在意識に暗示すれば、他人のことも、自分の思いどおりにできる」
「自分の潜在意識に暗示すれば、努力しなくても勝手に願ったとおりになる――むしろ、努力はしないほうがいい」
 と信じ込んでいます。

 常識や良識のある人からすれば、「そんなバカな」と、あきれてしまう主張ですよね。
 ですが、引き寄せの法則に傾倒している人たちは本気でこの理論を信じています。


 僕は、以前に運営していたサイトのなかで、

 潜在意識の『力』をもってしても、想(おも)いや願望が「なんでも」、「かならず」実現するわけではない――
 潜在意識には、「叶(かな)えやすい願望」と「叶えにくい願望」がある――

 ということを、大前提として説いていました。

 にもかかわらず、潜在意識への暗示について語ったために「引き寄せの法則を説いている人物」と見なされるようになりました。
 そして、僕のサイトには引き寄せの法則の信奉者が集まるようになりました。

 当時、ライター業務の依頼を受けるために、サイトにメールアドレスを掲載していました。
 そのメールアドレスに、引き寄せの法則でつまずいている人たちから相談メールが送られてくるようになりました。
 その数があまりにも多かったために、ライター業務に支障をきたすほどでした。

 その相談メールの内容は、
「潜在意識へ暗示したのに、○○さんが思いどおりになりません。どう暗示すれば○○さんを思いどおりにできますか?」
 といった内容のものがほとんどでした。
 なかには、
「ちゃんと引き寄せの法則のとおりにやっているのに、どうして思いどおりにならないんだ」
 と、まるで僕のせいであるかのように怒りをぶつけてくるメールもありました。


 引き寄せの法則を信奉すると、いずれ、かならずつまずきます。
 なぜなら、
「自分の潜在意識に暗示すれば、なんでも、かならず、自分の思いどおりにできる」
 という理論は、真実ではないからです。
 そして、他人や出来事(できごと)を自分の思いどおりにできないことに、苦悩するようになります。


潜在意識の暗示で叶えにくいこと


 潜在意識への暗示というのは「自己暗示」です。
 そのため、他人や社会との兼(か)ね合いを必要とするような願望は、実現しない可能性があります。

 自己暗示というのは、自分の心を変えるためのものです。
 ですので、「他人」を思いどおりになんてできません。
 他者の集合体である「社会(組織、集団)」もまた、思いどおりにはできません。
 他人や社会を思いどおりにはできないので、起こる出来事も意のままにはなりません。

 この世界は誰かひとりの都合(つごう)で動いているわけではないので、すべてが自分の思いどおりにはなりません。
 当たり前のことですよね。

 ですが、引き寄せの法則や「思考は現実化する」という理論に傾倒すると、そんな当たり前のことが理解できなくなってきます。
 そして、なんでも自分の願ったとおりにできると思っているので、他人や世の中が自分の思いどおりにならないことに苦悩します。

 あなたの前に、
「信じれば(潜在意識に暗示すれば)、なんでも思いどおりにできる」
 という理論を説く者があらわれたとしても、まどわされてはいけません。
 それは真実でないばかりか、あなたをエゴイズム(利己主義)におとしいれるものだからです。


潜在意識の暗示で叶えやすいこと


 潜在意識への暗示は、自己暗示です。
 そのため、「自分自身に関する願望」については、かなり高い確率で実現します。
 つまり、「自分自身をより良く変えたい」という願いは、潜在意識への肯定暗示で実現できるということです。

 成功を信じるポジティブな心を養う――
 集中力を高める――
 お金に対する安心感を得る――
 行動力を身につける――
 人間関係や、人とのコミュニケーションに対して前向きになる――

 潜在意識への肯定暗示によって、あなたは自分自身(自分の心)を変えることができます。
 あなたは、「なりたい自分」になることができます。


肯定暗示(自己暗示)が効果を発揮する生き方


 他人や社会のことは自分の思いどおりにはできない――
 自分自身のことは変えることができる――

 この肯定暗示の性質から、
「いかに生きるべきか?」
 という「生き方」に対する答えも見えてくるかと思います。

 他人を変える必要はない――
 変えるべきは自分自身――
 人間関係や、人とのコミュニケーションにおいても、重要なのは人に対して「自分がどうあるか」だ――

 そのような答えにたどり着くのではないでしょうか。

 もしあなたが、そのような「生き方」を選ぶのであれば、肯定暗示は最大限の効果を発揮します。
 潜在意識の英知と力が、あなたの味方になってくれます。