2023年11月27日月曜日

『読む肯定暗示』とは?


『読む肯定暗示』とは、本条克明による肯定暗示法(自己暗示法)のことです。
 文章を読むことによって潜在意識にプラスの暗示をおこない、潜在意識レベルで『心』を変える――というものです。


『読む肯定暗示』について


 僕は、29歳のときに自律神経失調症をわずらい、その後うつになり、引きこもり生活になりました。
 心に強烈なブレーキがかかっていて、無気力で、働くことも外にでることもできず、社会から切りはなされていく日々――
 本来であれば働き盛りの年齢のときに、僕はそれを経験しました。

 だめな自分がみじめで、自己否定感ばかりが大きくなって、ますます引きこもるという悪循環――
 そこから抜けだすために、僕は独学で心理学や自己暗示法を研究しました。
 みずからを実験台にして、潜在意識への肯定暗示法を次から次へと試しました。
 そして、34歳のときにようやく立ち直ることができました。

 働き盛りのときに5年間も引きこもりになっていた――それはけっして誇れるようなことではないので、その過去を人に語ることは控えていたのですが……。

 あるとき、僕のように「自力で鬱を克服する」というのは、かなりめずらしいケースだということに気づきました。
 そして、
「あのときに僕が身につけた肯定暗示の知識と技法は、人の役に立てるのでは?」
 と思い至りました。

『読む肯定暗示』は、僕がうつから立ち直るために実践(じっせん)した肯定暗示法(自己暗示法)のなかで、特に効果が高かった方法です。
 そして、多くの人に効果があると思われる方法です。


肯定暗示によって否定暗示を解く


 暗示というと、催眠術などを思い浮かべてあやしげな印象をいだく人もいるかもしれません。
 ですが、実際のところ暗示というのは日常的なものです。

 誰かに言われたこと――
 あなたが思ったり言ったりしたこと――
 あなたの日々の体験――

 それらはみな、あなたの潜在意識への暗示になります。
 そして、その多くが否定的なものです。
 つまり、ほとんどの人が、知らず知らずのうちに否定暗示にかかっているということです。

 日常生活のなかで無意識的にかけられた否定暗示は、意識的に肯定暗示をかけなおすことで解(と)くことができます
 肯定暗示は、暗示を「かける」のと同時に、否定暗示を「解く」という効果があります。
 そして、否定的な暗示にかかりにくくなるように『心』を強化することができます。


自己暗示は「かける者」と「かけられる者」が同一


 催眠ショーなどのイメージで、暗示のことを「人を思いどおりにあやつる術」と思っている人もいるかもしれませんが、『読む肯定暗示』ではそのようなことはありません。
『読む肯定暗示』は、自己暗示法だからです。

『読む肯定暗示』の暗示文は本条克明が作成したものですが、それを読んで潜在意識に語りかけるのは、あなた自身です。

 暗示をかけるのはあなた――
 暗示をかけられるのもあなた――

 暗示を「かける者」と「かけられる者」が同一である自己暗示において、都合(つごう)のわるい暗示をかけられることはありません。
 暗示を「かける者」であるあなたの検閲によって、受け入れられない言葉やフレーズは潜在意識にとどかなくなるからです。

『読む肯定暗示』では、誰かにあやつられることも、誰かを思いどおりにあやつることもありません。
 暗示文のなかの、あなたが共感した言葉やフレーズだけが、あなたへの肯定暗示となるからです。


読みながら、暗示を受け入れる状態(トランス状態)になる


 催眠の専門家が提唱している「自己催眠」では、暗示をかける前に催眠状態(トランス状態)にはいっていることを重視していることがあります。
 つまり、自分自身で催眠誘導法などをおこない、通常の覚醒状態とは異なる意識状態(ぼうっとしている状態、ひとつのことに集中している状態)にはいってから、自己暗示をおこなうように説いているんですね。

 たしかに暗示をかけるには、事前にトランス状態にはいっているほうが効果的です。
 トランス状態のときは潜在意識がむきだしになっているので、暗示がストレートに潜在意識にとどくからです。

 ですが、このやり方はあまり現実的ではありません。
 自己暗示では、暗示を「かける者」と「かけられる者」が同一です。
 そのため、暗示を「かける者」が前もってトランス状態にはいってしまうと、意識的に暗示をかけることが困難になってしまいます。

『読む肯定暗示』では、事前にトランス状態にはいっておく必要はありません。
 読みながらトランス状態にはいっていけるように、暗示文が作成されているからです。

 まずは、気になる肯定暗示文を、軽い気持ちで1回読んでみましょう。
 そして、読んだときに『快』になる感覚(言葉が心に響く感覚)がある場合は、その肯定暗示文はあなたに合っています。
 その肯定暗示文を、一日に1~3回、日々、継続的に読むことで、肯定暗示の効果があらわれてきます。


より効果的な読み方、実践のしかたについては、こちらをご参照ください。

自分で肯定暗示文をつくる方法については、こちらをご参考ください。




更新
2023年11月28日 文章表現を一部改訂。