今回も潜在意識を活用したテクニックのお話です。
まずは少し試してみて、「自分に合っている」と感じたら実践(じっせん)するようにしてみてください。
今回は、行動を使ったテクニックをご紹介いたします。
「上機嫌(じょうきげん)なフリをする」
というテクニックです。
これは、とても強烈な肯定暗示です。
行動(体験)が、もっとも強い暗示力を持っているからです。
上機嫌なフリをする
どんなにネガティブな人であっても、今までの人生のなかで、
「機嫌がいいとき」
というものがあったはずです。
まずは、そのときの自分を思い返してみましょう。
『出来事(できごと)』よりも、そのときの『自分の状態(感情)』に焦点を当てて想起(そうき)します。
「機嫌がいいときの自分」を思いだしましたか?
では、みずからそれを演じましょう。
何かの『役』を演じるわけではありません。
良い状態のときの『自分』を演じるだけです。
演じる対象が『自分』なのですから、容易にできるはずです。
上機嫌な自分を演じるのは、おもいのほか楽しいですよ(笑
もし、
「私の人生には、機嫌がいいときなんて一度もなかった」
「私には『機嫌がいい状態』というものがわからない」
という方(かた)の場合は――
『機嫌がいい人』の真似(まね)をしてください。
自分自身に機嫌がいいときがなかったとしても、『機嫌がいい人』を見たことはあるはずです。
そうでなければ、「私は機嫌がいいことなんて一度もなかった」なんて言えないはずですからね。
この主張の裏には、
「機嫌がいい人と比較(ひかく)した結果、私はいつも機嫌が良くない」
という比較の論理が、かならずあるのですから。
というわけで……
演じてみましょう、『機嫌がいい人』を(笑
上機嫌で、明るい人――
一緒にいると、こっちまで楽しくなってくるような好人物――
一緒にいると、こっちまで楽しくなってくるような好人物――
あなたはこの世界のなかで、そういう『役』を与えられた役者だと思ってください。
日常を、人生を――あなたの役を演じるための舞台にしちゃいましょう(笑
そして、あなた自身だけでなく、周囲の人までも楽しい気持ちにさせるような、そんな『上機嫌な人』を演じてみましょう。
おもいのほか、楽しいですよ(笑
フリをする暗示法(行動暗示法)のやり方
日常生活のなかで、「上機嫌なフリ」をしましょう。
今日1日――というふうにしてできれば、それに越したことはありません。
ですが、はじめはもっと短い時間を設定しましょう。
今から会社(もしくは学校)に着くまでのあいだ――
ひとりでショッピングをしているあいだ――
会社(学校)にいるあいだだけ――
友人(恋人)といるときだけでも――
今から3時間のあいだだけ――
ひとりでショッピングをしているあいだ――
会社(学校)にいるあいだだけ――
友人(恋人)といるときだけでも――
今から3時間のあいだだけ――
そんな感じで、まずは時間を特定して『上機嫌』をやってみましょう。
最初は、いつも会う人たちを避(さ)けてやったほうが良いと思います。
ですので、はじめのうちは、会社や学校ではやらないほうが良いかもしれません。
いつも会っている人たちの前でやると、とつぜんの変化に驚かれてしまうからです。
いい方向に変化したのですから、そのまま受け入れられることもあるのですが……
人の心(潜在意識)には、
「変化をきらって現状を維持しようとする」
という性質がありますので、とつぜん『機嫌がいい人』になると、まわりの人たちは違和感(いわかん)をおぼえて、あなたをもとの状態にもどそうとするかもしれません。
まずは、いつも会う人たちがいない状況からはじめましょう。
そして、『上機嫌』の状態を自然にたもてるようになってきたら、会社や学校など、いつも合う人たちの前でも少しずつ実践するようにしましょう。
うまくできないときは、がんばらなくていい
もしも、
うまく上機嫌なフリをすることができなかった――
やっている最中(さいちゅう)に、上機嫌ではいられないようなことが起こってしまった――
やっている最中(さいちゅう)に、上機嫌ではいられないようなことが起こってしまった――
そういった場合は、ムリにつづける必要はありません。
その日はそこで中断して、後日、また再チャレンジしましょう。
行動はたいへん強力な暗示力を持っていますが、それでも、いまの状態と正反対の行動をとってしまうと、「努力逆転の法則」が発動してしまう可能性が高くなります。
※「努力逆転の法則」とは、意識(顕在意識)と潜在意識が対立することによって、潜在意識が意識と逆のイメージをふくらませてしまい、逆効果になることです。
肯定暗示(自己暗示)では、潜在意識とまっこうから対立しないように、少しずつ、さとすように暗示をつづけていくことが、暗示を成功させる秘訣(ひけつ)になります。
がんばり屋さんな人ほど、うまくいかないときでもムリしてがんばってしまいがちです。
そんな愛すべき「いい人」というのは……
僕は好きです(笑
でも、肯定暗示においては、がんばらなくていいんですよ。
暗示は「くり返し」によって根づくので、それなりに時間がかかります。
必要なのは一時的な集中力ではなく、あるていどの期間、継続しておこなう根気です。
短距離ダッシュではなく、ジョギングのような長距離走をやるようなつもりで、気長に、楽な気持ちで、根気よくつづけるようにしましょう。
形からはいるとそのとおりの自分になっていく
しばらく「フリ」をつづけていると、かならず気づきます。
演技などではなく、本当に『上機嫌』になっている自分に――
* * *
「まあ、理屈はとおってるけどな。でも、そんな簡単に機嫌よくなれるもんなのか?」「行動っていうのは、自分に対する暗示力がもっとも強いんだ。イメージなんてくらべものにならないくらいにね」
※『きみの微笑みが嬉しくて』 俺の好きな人……(2) より抜粋
* * *
自己暗示において「フリをする」というテクニックは、最強レベルに近い暗示力を持っています。
こいつ(↓)に至っては、
「形や格好(かっこう)が整わないうちは、なにも始めたくない」
と言い張るほど、「形からはいる」のが好きだったりします(笑
フリをすると、それが強烈な自己暗示になって、本当にそのとおりの自分になっていく――
ということを経験から学んでいるので、どうしても「形からはいる」のをやめられないんですよね(笑
行動暗示は勇気の技法
行動はもっとも強い暗示力を持っています。
そのぶん、実践するにはあるていどの『勇気』を必要とします。
思考(言葉)やイメージを使った暗示は自分の心のなかだけでできますが、行動の場合は、人とも関わってくるからです。
ですので、まずは思考(言葉)やイメージを使った肯定暗示からはいるほうが好ましいと思います。
そして、ほんの少しの『勇気』を心に持てた方は、「上機嫌なフリをする」というテクニックを、ぜひ試してみてください。
『いま幸せ』のやり方
→「好き」という言葉で『いま幸せ』になる
→笑顔をイメージして『いま幸せ』になる
→上機嫌なフリをして『いま幸せ』になる 当記事
→『いま幸せ』を実践して悪夢や不快なイメージを見るようになった場合は
※この記事は、本条克明が以前に電子書籍として配信していた『〈いま幸せ〉を実践する方法』に掲載したお話を改訂したものです。