言葉では伝わりにくい色のひとつに、「亜麻色(あまいろ)」があります。
「亜麻色」という言葉を知ってはいても、どんな色かをすぐにイメージできる人は多くありません。
亜麻色も、小説ではよく使う色なんだけどなぁ……。
亜麻色って、どんな色?
「亜麻色」という言葉じたいは、広く知れわたっていますよね。
おそらく、この曲の影響だと思います。
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<参考動画>
島谷ひとみ / 「亜麻色の髪の乙女」【OFFICIAL MV FULL SIZE】avex様の動画(YouTube)
作詞:橋本淳 作曲:すぎやまこういち 編曲:大槻"KALTA"英宣 ストリングスアレンジ:のりっぺ
※この曲はヴィレッジ・シンガーズのカバー曲です。
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亜麻色とは、こんな色
亜麻色というのは、もちろんアマ(亜麻の繊維)の色のこと。
英語では、flax(フラックス)。
亜麻色の髪は、flaxen hair(フラックセン・ヘアー) 。
また、「亜麻色の髪」のことを「金髪」の一種や、「金髪に対する別の言い方」だと思っている人がいます。
ですが、正確に言うと金髪とはちょっとちがう色なんですよね。
辞書を引くと、「黄色がかった薄茶色」などと書かれています。
亜麻色の髪は「薄い茶色」になりますので、髪色の分類にあまり敏感ではない日本人だと金髪のように見えるかもしれませんが、金髪とは少しイメージの異なる色です。
要するに、こんな色です。
画像は、僕の小説作品に登場する山木俊矢(やまき・としや)というキャラクターの髪を、亜麻色に変更したものです。
たぶん、「亜麻色」を言葉で表現しようと思ったら、
「少し黄土色がはいっている淡いグレー」
というのが、いちばん近いんじゃないかなぁ……。
ちなみに、先ほど「亜麻色の髪」の例として使われた『俊矢』というキャラクターなのですが……
本来の設定では「黒髪」です。
「黒髪」と「亜麻色の髪」では、印象がぜんぜんちがいますよね。
「亜麻色」という表現は俗称?
この色が「亜麻色」――という決まった色はありません。
亜麻色というのは、「黄色がかった薄茶色」に対する俗称のようなものなんですね。
カラーコードで表現すると、
#dfc9a9
#e4d4a1
#cfb689
#d6c6af
これらの色はみな「亜麻色」に該当します。
ですので――
「亜麻色とは、そういうもんだ」
そう思ってください(笑
亜麻色は、日本人にはどうしてもイメージがしにくい色
「亜麻色」という言葉を知ってはいても、すぐに思い浮かべることができる人はあまりいません。
亜麻色(の髪)を、見たことがないからです。
おそらく、これからも日本人で髪をこの色にする人はほとんどいないと思います。
亜麻色はかなり薄い茶色ですので、東洋人がこの色にすると白髪(はくはつ)のような印象になりやすいからです。
実際に見る機会がないので、亜麻色がわからないというのも当然なことではあるのですが……
これを機に、ぜひおぼえておいてくださいね。
※「言葉では伝わりにくい色」に関するほかのお話はこちら
→栗色(くりいろ)は、皮の色? 中身の色?
→ヘーゼルとは、どんな色?