2018年1月24日水曜日

プロット(物語)の作成能力を養う練習法


 今回は、
「プロット作成能力を養う練習法」
 について、お話しいたします。

「プロット」の意味については、こちらをご参照ください。
小説における「プロット」とは?

 ぶっちゃけたことを言ってしまうと、プロット作成能力を養ういちばん良い方法は、
「実際にプロット(物語)をつくること」
 それに尽きるんですけどね。

  モチーフ(題材)をもとに、
  設定をし、
  ストーリーを組む――

  納得のいくプロットになるまで、
  何度でもアイデアを練り直す――

 そのくり返しによって、プロット作成能力は養われていきます。
 地道な努力――というか、「実際につくる」というストレートな経験の積み重ねですよね、もっとも優れた訓練は。

 物語の創作においては、「これが正しい」というものを定義することはできません。
 創作の世界では、自由な発想が奨励され、斬新なアイデアやオリジナリティのある作品が求められているからです。

 そのため、プロットを作成する能力は、
「作家のセンス(感性)にかかっている」
 ということになるわけですが……

 その『センス』を養う練習法なら、あるんですね。


プロットを作成するセンスを養う練習法 (本条克明の場合)


  小説
  映画
  ドラマ
  アニメ
  マンガ   etc.

 メディアを問わず、物語にふれたらレビュー(評論)や感想を書き記すようにします

 と言っても、人に見せるために書くわけではありません。
 ですので、書き方は自由です。

 ただし、注意すべきことがあります。
 レビューや感想を書かせると、あげ足をとるかのように、その作品の「わるいところ」ばかりを指摘したがる人がいます。
 ですが、あなたは批評家になるわけではありません。
 作り手としての腕をみがくために、「あなたの意見」や「あなたが感じたこと」を明確にする――そのために書くのです。

 ですので、ふたつのこと(↓)を心がけて書き記します。

************
その作品の「良いところ」や「学べるところ」を重点的にさがす

その作品の「わるいところ」や「矛盾しているところ」を見つけたら、それを指摘するだけで終わらず、『改善案(私だったらこうする)』を考える
************

 これは、たいへん重要なことなんですね。

 はっきり言いますが、作品の良くないところばかりを指摘するような人は、創作には向いていません。
 否定要素(マイナス面)に意識の焦点を合わせる人は、みずからの否定性によって、がんじがらめになるからです。

 この種の人たちは、物語の良くないパターンを知識としてため込むため、
「あれをやってはいけない」
「こういうやり方をしてはいけない」
 と、心のなかを禁止項目だらけにしてしまいます。
 その結果、何も生みだせない体質になるんですね。


 創作をする人は、「物語の否定要素」に同調するべきではありません。
 それとは逆に、
「その物語の肯定要素(プラス面)」
 に意識の焦点を合わせるように心がけます。

 物語にふれるたびに、
「(その物語の)良いところ」
「(その物語から)学べるところ」
 をさがしだせる人は、創作に向いています。

 このタイプの人たちは、
「こうやれば良い物語になる」
「こういうやり方をすれば、良い物語がつくれる」
 という成功パターンを、知識として蓄えていくことになるからです。


 また、物語の「わるいところ」や「矛盾しているところ(おかしなところ)」を見つけたときは、
「自分だったら、こうする」
 という改善案まで考えるようにしましょう。

「わるいところ」や「矛盾しているところ」を見つけたときに、それを克服する方法を考えておくと、あなたはそれとおなじ過ちをおかすことがなくなります
 あなたがつくるプロット(物語)は、より進化したものになります。


物語にふれたときには、かならず何かを学びとる


 物語にふれたときに、このようなやり方でレビューや感想を書く習慣をつけると、プロットづくりのセンスがみがかれていきます。
 プロット(物語)をつくるセンスは、物語に精通することによって、より高度に発達していくからです。

 物語にふれたときには、「つまらなかった」や「おもしろかった」という漠然(ばくぜん)とした感想で終わらずに、

  • その作品の良いところを的確に指摘する
  • その作品のおかしなところを見つけた場合は、「こうすれば良くなる(私ならこうする)」という改善案を考える

 というところまでレビューするようにしましょう。

 特に、作家修業をしている人の場合は、
「物語にふれたときには、最低でも何かひとつは『学べるところ』を獲得しよう」
 という気持ちで物語と向き合うと、プロットをつくるセンスがより早く、より高度に発達していきます。


この練習法で、あなたのプロット(物語)が個性的になる


 また、この練習法をつづけていると、あなたがつくるプロット(物語)がより個性的になってきます

 物語の「善し悪し」は、誰にも定義できないからです。

 その「定義できないもの」を、あなたは自分の感性にしたがって、「ここは良い」、「ここはこうすれば良くなる」という判断をくだします。
 それをくり返すことによって、
あなたが良いと思うこと(あなたが好きな話のつくり方)」
 が明確になっていきます。

 結果として、あなた独自のセンス(=個性)が、みがかれていくことになるんですね。


[おまけ] 練習法の例(本条克明の場合)


 最後に、[おまけ]として――

 この練習法を実践(じっせん)するイメージがしやすいように、僕が実際におこなったTVドラマのレビューを、画像にして掲載いたします。

 2014年9月3日にTOKYO MXで放送された『魔術師マーリン シーズン2』(第9話「湖の少女」)を視聴したときのものです。

『魔術師マーリン(魔術師 MERLIN)』(The Adventures of Merlin)は、イギリスのTVドラマシリーズです。(制作:シャイン・プロダクション 2008年~2012年、全5シーズン)

 画像をクリックすると別ウインドウで拡大して表示されますが、ネタバレになる記述があります。
 読まれる場合は、ご了承のうえでご閲覧ください。





 プロットづくりの練習法(プロット作成能力を養う感想の書き方)として、よろしければ参考になさってみてください。


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更新
2018年9月28日 文章表現を一部改訂。
2019年12月7日 リンクを追加。