物語のアイデアを生みだすときに最大の障害となるのが、脳内検閲です。
なんらかの発想が思い浮かんだとしても、
「くだらない」
と決めつけて、脳内で却下してしまうんですね。
場合によっては、発想が浮かんだことに気づかないほど、あっという間に却下してしまうこともあります。
僕は、いままでに何度もこの状態におちいりました(苦笑
連日、机に何時間も座っているのに、何も思い浮かびません。
あの状態にハマると、本当にしんどいです(汗
あの状態を回避するには、
「アイデア = 斬新なすごい発想」
という観念を捨て去る必要があります。
「アイデア」という響きから大げさな印象を受けてしまいがちですが、つまるところ、アイデアなんて単なる「思いつき」なんです。
アイデアなんて「思いつき」
ちょっと想像してみてください――
あなたは車に乗っていて、渋滞に巻き込まれています。
大渋滞です。ぜんぜん前に進みません。
「なんで車なのに歩きよりも遅いんだよ!」
と頭にくるほど、まったく前に進みません。
そして、ふと思います。
「ああ、もしこの車から脚がでてきて、渋滞している車をまたいで前に進めたら楽なのになぁ……」
渋滞に巻き込まれると、誰でも考えそうなことですよね(笑
はっきり言って、子供じみたくだらない思いつきです。
実際、子供でも考えるようなことです。
ですので、ふつうの人は脳内検閲で「くだらない」と決めつけて、この思いつきを消し去ります。
ですが、思いつきを大事にできる人は、「くだらない」と思えるようなことに対しても可能性を追求し、さらに考えを重ねて、「使えるアイデア」にまで発展させます。
先ほどの「車に脚があったら……」という子供でも考えそうな思いつきから、作品を生みだす人だっています。
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<参考動画>※東映アニメーションミュージアムチャンネル 様の動画(YouTube)
※東映映画チャンネル 様の動画(YouTube)
スーパーロボットの元祖と言われている『マジンガーZ』は、ふつうであれば「くだらない」と決めつけてしまう思いつきから生まれました。
永井豪(ながい・ごう)先生が、渋滞に巻き込まれている車を見たときに、
「車に脚があれば……」
と考えて、そこから『操縦する巨大なロボット』という発想に至ったそうです。
スーパーロボットやリアルロボットと呼ばれている「搭乗型の巨大ロボット」というジャンルは、いまでは日本特有の文化として確立しています。
『マジンガーZ』はそのパイオニア(先駆け)と言える作品です。
この作品がなければガンダムやマクロス、エヴァンゲリオンもこの世に生まれなかったかもしれません。
それを考えたら、
『くだらない思いつき』のなかに、『優れたアイデア』がひそんでいる
ということが実感できますよね。
「優れたアイデア」を生みだせる人とは、「くだらない思いつき」を大切にして、それをかたちにできる人のこと――
僕は、アイデアに対してこのような価値観を持っていますので、
「思いついたことは『くだらない』と決めつける前に、かたちにできるかどうか、とりあえず可能性を考えてみる」
ということを、自分に課しています。
だって、本当は「使えるアイデア」だったのに自分で却下しちゃうなんて、そんなのもったいないですからね(笑
アイデアがでてこなくて悩んでいるときは、「アイデア」ということに対して構えすぎている可能性がいちばん高いです。
もっと力を抜いて、
そんな軽い気持ちでアイデアと向き合ったほうが、胸がおどるようなアイデアを見つけやすくなります。
あくまでも「本条克明の場合は」というお話ではあるのですが、物語のアイデアを模索している人は参考になさってみてください。
※関連しているお話はこちら
→「ひとりブレインストーミング」でアイデアをだす 小説向きな発想法
※永井豪先生に関するほかのお話はこちら
→『少年ジャンプ』が大雑誌になったきっかけ――日本版カリギュラ効果は、永井豪先生の……
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「くだらない思いつき」のなかに「優れたアイデア」が隠れひそんでいる
スーパーロボットの元祖と言われている『マジンガーZ』は、ふつうであれば「くだらない」と決めつけてしまう思いつきから生まれました。
永井豪(ながい・ごう)先生が、渋滞に巻き込まれている車を見たときに、
「車に脚があれば……」
と考えて、そこから『操縦する巨大なロボット』という発想に至ったそうです。
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そのロボットの新しい設定は ある日とつぜん思いついた。
渋滞する車の列を横断歩道が青信号に変わるのを待っていたときだった。
ふとこう思った……。
「こんなに前がつまってると 後ろの車は前の車をまたいで前に出たいと思うだろうな~」
ハッ!
「こ……これだ
車のように人が乗って操縦するロボットだ!」
これがマジンガーZの始まりだった!
出典:『永井豪のヴィンテージ漫画館』 永井豪:著 河出書房新社、河出文庫(2015年)
※マンガのページから引用。(吹き出しの台詞の部分は、かぎ括弧で表現しています)
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スーパーロボットやリアルロボットと呼ばれている「搭乗型の巨大ロボット」というジャンルは、いまでは日本特有の文化として確立しています。
『マジンガーZ』はそのパイオニア(先駆け)と言える作品です。
この作品がなければガンダムやマクロス、エヴァンゲリオンもこの世に生まれなかったかもしれません。
それを考えたら、
『くだらない思いつき』のなかに、『優れたアイデア』がひそんでいる
ということが実感できますよね。
「優れたアイデア」を生みだせる人とは、「くだらない思いつき」を大切にして、それをかたちにできる人のこと――
僕は、アイデアに対してこのような価値観を持っていますので、
「思いついたことは『くだらない』と決めつける前に、かたちにできるかどうか、とりあえず可能性を考えてみる」
ということを、自分に課しています。
だって、本当は「使えるアイデア」だったのに自分で却下しちゃうなんて、そんなのもったいないですからね(笑
構えずに、力を抜いて、とりあえず案をだす――そうやって胸おどるアイデアを見つけだそう
アイデアがでてこなくて悩んでいるときは、「アイデア」ということに対して構えすぎている可能性がいちばん高いです。
もっと力を抜いて、
- 「くだらない思いつき」でいいから、とりあえず案をだしてみよう
- その「思いつき」のなかから、使えるものがないか肯定的な気持ちで検証してみよう
そんな軽い気持ちでアイデアと向き合ったほうが、胸がおどるようなアイデアを見つけやすくなります。
あくまでも「本条克明の場合は」というお話ではあるのですが、物語のアイデアを模索している人は参考になさってみてください。
※関連しているお話はこちら
→「ひとりブレインストーミング」でアイデアをだす 小説向きな発想法
※永井豪先生に関するほかのお話はこちら
→『少年ジャンプ』が大雑誌になったきっかけ――日本版カリギュラ効果は、永井豪先生の……
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2024年1月4日 記事内の広告を削除。