以前に投稿した「小説の執筆をする」という記事のなかで、僕はこんなことを書いています。
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僕は以前に、
「『自分の言葉』って、なんだろう?」
と自問自答をくり返し、
「おそらく、最初に思い浮かんだ言葉が『自分の言葉』なんだ」
と思い至りました。
そのため、第一稿では言葉を選ばずに、最初に思い浮かんだ言葉をそのまま書くようにしています。
※詳しくはこちらをご参照ください。
→小説の執筆をする (本条克明の小説作法5)
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今回はこの記述の補足として、
「『自分の言葉』を引きだす文章練習法」
について、お話しいたします。
内側から言葉がやってくる感覚をみがく
「言葉を選ばずに、最初に思い浮かんだ言葉をそのまま書く」
というやり方を試してみたけど、うまくできなかった――
そういう人もいるかと思います。
この方法がうまくいかないのは、
「最初に思い浮かんだ言葉をすぐに書こうとしているんだけど、言葉自体がすぐに頭に浮かんでこない」
というケースがほとんどだと思います。
僕の場合は、次のような練習法をおこなうことで、
「自分の内側から、瞬間的に言葉を得る」
という能力を高めることができました。
ページ内目次
・自分のマインド(心)を自覚する瞑想法
まず、この練習法をおこなうための時間を確保します。
10分~15分ていどでもかまいません。
※もちろん、もっと長いほうが好ましいです。長いほうがより早く効果があらわれます。
時間を決めたら、キッチンタイマーなどでその時間をセットします。
※タイマーがない場合は、なくてもかまいません。
文章の練習は、手書きでもワープロでもかまいません。
「文章は手書きで練習したほうがいい」という人もいますが、明確な根拠はありません。
手書きでもワープロでも文章にはちがいありませんので、書けばかならず練習になります。
僕の場合は、この練習法をおこなうときはいつもワープロを使っています。
手書きよりもワープロのほうが速く書けるので、「思考」と「書く」という動作のあいだにタイムラグ(時間差)が少ないからです。
練習をはじめる準備が整ったら、タイマーをスタートさせます。
この練習を積み重ねると、
という効果があらわれてきます。
最初に思い浮かんだ言葉が『自分の言葉』――
という僕の説が正しいと仮定した場合、「自分の言葉で書く能力」をこの練習法で養うことができます。
僕はいまでも、
「最近、言葉がスムーズに思い浮かばなくなってきたな……」
とか、
「なんとなく、自分の言葉で書けている気がしないな……」
と感じたときは、この練習法をおこなって、
自分の言葉で書く = 最初に思いついたことをそのまま書く
という感覚をとりもどすようにしています。
余談になりますが――
この方法、じつを言うと、もともとは「文章の練習法」としてはじめたわけじゃなかったりします。
最初は、鬱(うつ)になっていた時期に、瞑想の一環(いっかん)としてはじめました。
『オレンジ・ブック』という本に記載されている、20世紀インドの神秘家、OSHO(オショー)という人物が説いた、
「思考を書きとめよ」
という技法がもとになっています。
出典:『オレンジ・ブック OSHOの瞑想テクニック』 OSHO(和尚):著 スワミ・トシ・ヒロ:訳 ホリスティック・セラピー研究所:発行 めるくまーる:販売(1984年)
OSHOはこの方法を、
「マインド(思考する心)というものが、どれほど狂っているか(いかにネガティブで騒々しいものであるか)」
を自覚するための技法として紹介しているのですが……
実際にやってみたら、
「思考が出尽くして思い浮かばなくなった瞬間に、瞑想状態(無心の状態=リラックスした中立の精神状態)になる」
という効果があったので、継続的に実践(じっせん)しました。
すると今度は、
「最初に思いついたことをそのまま書く(率直な自分の言葉で書く)」
ということが自然にできるようになり、文章力の向上につながったんですね(嬉
以来、僕はこの方法を「自分の言葉で書く能力を養う文章練習法」として重宝(ちょうほう)しています(笑
僕自身は「文章の練習法」として活用していますが、
「自分の『心(マインド)』についてもっと自覚できるようになりたい」
「書くことを瞑想にしたい」
ということを求めている人には、精神修行の技法として役立つと思います。
よろしければ、ぜひ参考になさってみてください。
※小説の練習法に関するほかのお話
→模写(もしゃ)は、優れた文章練習法
→日記で、小説を書く練習をする方法
→プロット(物語)の作成能力を養う練習法
※瞑想に関するほかのお話
更新
2024年7月11日 リンクを追加。
「自分の言葉」で書く能力を養う文章練習法
まず、この練習法をおこなうための時間を確保します。
10分~15分ていどでもかまいません。
※もちろん、もっと長いほうが好ましいです。長いほうがより早く効果があらわれます。
時間を決めたら、キッチンタイマーなどでその時間をセットします。
※タイマーがない場合は、なくてもかまいません。
文章の練習は、手書きでもワープロでもかまいません。
「文章は手書きで練習したほうがいい」という人もいますが、明確な根拠はありません。
手書きでもワープロでも文章にはちがいありませんので、書けばかならず練習になります。
僕の場合は、この練習法をおこなうときはいつもワープロを使っています。
手書きよりもワープロのほうが速く書けるので、「思考」と「書く」という動作のあいだにタイムラグ(時間差)が少ないからです。
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<具体的なやり方>
練習をはじめる準備が整ったら、タイマーをスタートさせます。
※タイマーがない場合は、だいたいでかまわないので、時間になったら終わらせるようにしましょう。
そして、頭に思い浮かんだことを、すべて、そのまま書いていきます。
小説や創作とはぜんぜん関係のないことでも、
ぜんぜん脈絡(みゃくらく)のないことでも、
意味不明な思考であっても、
思い浮かんだことは脳内検閲(のうない・けんえつ)をせずに、すべて、あまさず、正直に書いていきます。
つまりこれは、
「思考をそのまま書きとめる」
という練習法です。
もしも、つづけているうちに、
「ああ、もう何も思い浮かばなくなったなぁ……」
と思ったら――
そのまま素直に、
ああ、もう何も思い浮かばなくなったなぁ……
と、書き記しましょう(笑
そして、本当に何も思い浮かばなくなった場合は――
その「無思考」の状態に、しばらくひたりましょう。
その心理状態は、瞑想家が渇望(かつぼう)している「無心」の状態です。
たいへん貴重な精神状態ですので、無思考がつづくかぎり、その状態にひたってみましょう。
※彫像になったかのように静止していると、無思考の状態を長くたもつことができます。
そして、また思考がもどってきたら、「思考をそのまま書きとめる」を再開しましょう。
時間がくるまで、ひたすら思い浮かんだことを、すべて書きとめます。
タイマーが鳴ったら(時間がきたら)、終了です。
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この練習を積み重ねると、
- ワープロ(もしくは原稿用紙)に向かったときに、書くべき言葉がスムーズに頭に思い浮かぶようになる
- 思い浮かんだ言葉を手が反射的に文章にするようになり、書くスピードが速くなる
という効果があらわれてきます。
「最近、自分の言葉で書けている気がしないな……」と思ったら、この練習法で『自分の言葉』をとりもどす
最初に思い浮かんだ言葉が『自分の言葉』――
という僕の説が正しいと仮定した場合、「自分の言葉で書く能力」をこの練習法で養うことができます。
僕はいまでも、
「最近、言葉がスムーズに思い浮かばなくなってきたな……」
とか、
「なんとなく、自分の言葉で書けている気がしないな……」
と感じたときは、この練習法をおこなって、
自分の言葉で書く = 最初に思いついたことをそのまま書く
という感覚をとりもどすようにしています。
自分のマインド(心)を自覚する瞑想法
余談になりますが――
この方法、じつを言うと、もともとは「文章の練習法」としてはじめたわけじゃなかったりします。
最初は、鬱(うつ)になっていた時期に、瞑想の一環(いっかん)としてはじめました。
『オレンジ・ブック』という本に記載されている、20世紀インドの神秘家、OSHO(オショー)という人物が説いた、
「思考を書きとめよ」
という技法がもとになっています。
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あなたの部屋を閉めきってその中に坐り
自分の思考を書きとりはじめてごらん
あなたの頭脳(マインド)にはいり込んできた何もかもをだ――
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OSHOはこの方法を、
「マインド(思考する心)というものが、どれほど狂っているか(いかにネガティブで騒々しいものであるか)」
を自覚するための技法として紹介しているのですが……
実際にやってみたら、
「思考が出尽くして思い浮かばなくなった瞬間に、瞑想状態(無心の状態=リラックスした中立の精神状態)になる」
という効果があったので、継続的に実践(じっせん)しました。
すると今度は、
「最初に思いついたことをそのまま書く(率直な自分の言葉で書く)」
ということが自然にできるようになり、文章力の向上につながったんですね(嬉
以来、僕はこの方法を「自分の言葉で書く能力を養う文章練習法」として重宝(ちょうほう)しています(笑
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僕自身は「文章の練習法」として活用していますが、
「自分の『心(マインド)』についてもっと自覚できるようになりたい」
「書くことを瞑想にしたい」
ということを求めている人には、精神修行の技法として役立つと思います。
よろしければ、ぜひ参考になさってみてください。
※小説の練習法に関するほかのお話
→模写(もしゃ)は、優れた文章練習法
→日記で、小説を書く練習をする方法
→プロット(物語)の作成能力を養う練習法
※瞑想に関するほかのお話
更新
2024年7月11日 リンクを追加。
2024年9月22日 ラベルを削除。
2024年10月2日 ラベル「創作哲学」を追加。
2024年10月21日 ページ内目次を追加。