自作の小説作品のWEB公開をはじめました。
※こちらのサイトで公開しています。
→恋とは幸せなものなんだ(恋愛関連の小説)
→月尾ボクシングジム物語(ボクシング関連の小説)
カラー小説です。
デジタルの小説に適した表現として、カラーでやっています。
と言っても、登場人物の台詞(せりふ)を少し色分けしているだけなんですけどね(笑
簡単にカラーでできるのは、デジタルならでは
アナログ(紙)の小説の場合は、カラーで仕上げるのは容易ではありません。
理由はもちろん、「コストがかかるから」です。
たとえば、コンビニに設置されているコピー機――
単色(モノクロ)のコピーと、カラーコピーでは、料金がぜんぜんちがいますよね。
コピーと本では印刷のしかたが異なっているのですが、「カラーにすると価格がはねあがる」という事実は一緒です。
というより、本の場合はもっと費用がかかります。
カラーの場合は、用紙も別のものを使わなければならないからです。
アナログの本(紙の本)では、マンガもふくめて黒インクのみのモノクロ作品が大半(たいはん)を占めています。
その理由は「カラーでやるとコストがかかってしまうから」なんですね。
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デジタルの場合は、そんな苦労はいりません。
ページに複数の色をつけるのなんて、簡単にできます。
コストもかかりません。
読者のほうに「カラーで見ることができる環境(モニター)」があるのなら、なんの問題もなく、容易に「カラーの作品」を提供することができます。
これって、やっぱり「デジタルの利点」ですよね。
文字をカラーにするデメリット
もちろん、カラーで表現することがかならずしも良いわけではありません。
この世の中、どんなことにもデメリットがあります。
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フォント(文字)に色をつける、という表現のデメリットとして、
「色覚が正常ではない方には読みにくい」
ということが挙げられます。
緑系や赤系の色が苦手――といったように特定の色が苦手な方もいるので、色がついていることによってかえって読みにくい文章になってしまう可能性があります。
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また、
「使える色が意外と少ない」
ということもデメリットとして挙げられると思います。
白のページ(白い背景)に文字を書く場合、文字にあるていどの濃さがないと快適に読むことができません。
そうなると、使える色というのはかぎられてきます。
実際に使える色の数が多くないので、「色分け」を目的にしているはずなのに、あまり細かい色分けはできません。
文字をカラーにするメリット
もちろん、小説のカラー化にはそれ以上のメリットがあります。
だからこそ、僕は「カラー小説」でやっているんです(笑
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小説に色をつけるいちばんのメリットは、
「誰の台詞なのか、わかりやすい」
ということでしょうね、やっぱり(笑
誠一(ブルー)
「幸せは未来にはない。幸せになりたければ『いま』でなければダメなんだ」
賢策(パープル)
「簡単だよ。心がけひとつでけっこう機嫌よくしていられるものなんだよ、人間って」
カツオ(グリーン)
「人目(ひとめ)を気にしてちゃ、いますぐ幸せになることはできないよ」といった感じで、主要なキャラクターには色を割り振ってあります。
そのため、あるていど読み進めていくと、見た瞬間に誰の台詞なのかを『色』で識別することができます。
読者は感覚的な判断ができるので、よりわかりやすくなるんですね。
さらに言うと、書き手である作家にとってもたいへん便利だったりします。
小説における文章表現として、
「誰の台詞なのか、すぐにわかるように書く」
というのは、けっこう技術がいります。
作家にとっては気をつかう部分ではあるのですが……
台詞を色分けしている場合は、見た瞬間に(読む前に)誰の台詞なのか識別できるので、そんな気苦労はいりません。
作家としては、それだけでだいぶ気が楽になったりします。
……と言っても、色分けにあまえたりしないように心がけてはいるんですけどね。
色がなかったとしても誰の台詞なのかをすぐに識別できるかどうか、推敲(すいこう)の段階で確認するようにしています。
やっぱり、あまえちゃダメですよね(笑
※推敲とは「文章を手直しすること」です。
詳しくはこちらをご参考ください。
→小説の推敲・校正をする (本条克明の小説作法6)
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もうひとつのメリットとして、
「色があると、脳にも良い影響がある」
ということが挙げられます。
「文章を読む」という行為では、左脳の『言語』にかかわる領域が集中的に使われます。
ですが、色があると「イメージ」をつかさどる右脳も働くことになるため、全脳思考に近い効果を自然と得ることができます。
つまり、『色』があると脳がより活性化するんですね。
読者の反応は……
電子書籍として公開していたときも「カラー小説」というかたちをとっていました。
小説をカラーにしたことによる読者の反響は……
特になかったですね。
色分けがされていることに対して、いいとかわるいとか、そういった意見はいまのところ寄せられていません。
作り手側の都合のいい解釈になるのかもしれませんが、色分けに対しての反応がないのは、
「違和感なく自然に読むことができた」
ということであり、「すんなり読者に受けいれてもらえた」と僕自身は思っています。
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今後も、小説作品はカラーで仕上げていく予定です。
よりいっそう小説をお楽しみいただけましたら、心より嬉しく思います。