今回は、僕の「小説の創作法」の5回目として、
「執筆(本編の文章を書く)」
についてお話しいたします。
※1回目から読む場合は、こちらの記事をご閲覧ください。
→小説のモチーフを得る (本条克明の小説作法1)
物語の執筆をする
執筆には、ワープロソフトの『一太郎』を使っています。
現在は、2013年度版で執筆をしています。
※『一太郎』は、株式会社ジャストシステムによる開発・販売の日本語ワープロソフトです。
一太郎に慣れてしまうと、ほかのワープロソフトはもう使えないよなぁ。
いまや「仕事道具」というより、「バディ(相棒)」って感じです(笑
執筆をするときは、黒い画面に淡いグレーの文字で書いています。
※[表示]→[画面表示設定]→[イメージ編集]を選択し、「色の設定」のところで背景色や文字色を設定できます。
(ドラフト編集画面で執筆をしている場合は、[表示]→[画面表示設定]→[ドラフト編集]を選択し、「色の設定」のところで背景色や文字色を設定)いろいろと試してみた結果、僕の場合は、執筆を長時間つづけてもいちばん目が疲れなかったので、この色設定で書いています。
背景色が黒いので、光量をおさえられます。
黒い背景に明るい色の文字で書くため、文字が大きく感じられて見やすくなります。
※白などの明るい色は膨張色と言われています。
※環境によって、黒の背景色は画面が鏡面化することがあります。
とまあ、僕の場合はこのような環境設定で執筆をしているのですが……
前置きはこれぐらいにして、そろそろ本題にはいります。
ページ内目次
●2段階方式のほうが速く書きあげることができる
・「書く喜び」がなければ、小説の執筆じゃない
まずは、<第一稿>です。
白紙の状態から文章を起こす段階です。
エネルギーを使いますので、気合いが必要です(笑
机に向かったら、まず準備からはいります。
設定表やプロットを読み返します。
いまから書くことについて、頭のなかで整理をしておきます。
スポーツ選手でたとえると、試合直前の準備運動のようなものです。
準備が整い、執筆に対する意識が高まってきたら、書きはじめます。
第一稿では、
第一稿では、スピードが最優先です。
言葉を選んだりしません。
最初に思い浮かんだ言葉を、そのまま採用して書きます。
言葉に詰まったら、そこは赤字で〈保留〉と書いて飛ばします。
シーンがうまく思い浮かばないときも〈保留〉にして飛ばします。
少しでもとまりそうになったら、そこは〈保留〉にして、書けるところからどんどん書いていきます。
速く書くことを心がけると、「自分の言葉」で文章を書くことができます。
僕は以前に、
「『自分の言葉』って、なんだろう?」
と自問自答をくり返し、
「おそらく、最初に思い浮かんだ言葉が『自分の言葉』なんだ」
と思い至りました。
そのため、第一稿では言葉を選ばずに、最初に思い浮かんだ言葉をそのまま書くようにしています。
あとで推敲(すいこう)をおこなって文章の練り直しをしますが、全編をとおした『文体』は、第一稿で決まります。
文章に「自分らしさ」をだすためにも、言葉を選ばずに、速く書くことを心がけます。
ひととおり書き終えたら、<第二稿>に移ります。
第一稿を最初から読み返し、〈保留〉のところを穴埋めしていきます。
第二稿は「穴埋め作業」です。
書いているときにはいくら考えても思いつかなかった言葉が、
「全体ができあがっているなかの穴埋め」
というかたちになると、不思議なことに、しっくりくる言葉や表現がスムーズに思い浮かんできます。
最後まで「穴埋め」が終わったら、執筆は完了です。
僕の場合は、
第一稿(速筆) → 第二稿(穴埋め)
という2段階で執筆をおこなっています。
「2段階で書くのって、時間がかかるんじゃないのか?」
そう疑問に思った人もいるかもしれませんが……
僕の場合は、この書き方のほうがずっと速く書き終わります。
とまっている時間がないからです。
つねに「書いている」か、「穴埋めをしている」か、そのどちらかですので、執筆がずっと進行しています。
結果的に、速く書きあげることができます。
また、
「最後まで書きあげることができずに、未完に終わってしまう」
というケースの多くが、行き詰まっている時間が長いことによって起こっています。
とまっている時間が長いと、モチベーションが低下して、そのまま挫折してしまうことがよくあるんですね。
ですが、
第一稿(速筆) → 第二稿(穴埋め)
という書き方をすると、とまることなく執筆しつづけることになりますので、最後までモチベーションを維持しやすくなります。
作品を完成させられる確率が、格段に高くなります。
ここでご紹介した執筆の方法は、あくまでも「本条克明の場合は」という書き方なのですが、
という人には、参考になるところが多々あると思います。
※本条克明の小説作法
→小説のモチーフを得る(1)
→小説の世界観・舞台を設定する(2)
→小説のキャラクター(登場人物)を設定する(3)
→小説のプロットを仕上げる(4)
→小説の執筆をする(5) 当記事
→小説の推敲・校正をする(6)
※「自分の言葉で書く」については、こちらをご参考ください
→『自分の言葉』で書く能力を養う文章練習法
更新
2018年8月21日 『自分の言葉』で書く文章練習法 へのリンクを追加。
2020年1月4日 黒い画面の鏡面化に関する記述を追加。
・「書く喜び」がなければ、小説の執筆じゃない
執筆のやり方(本条克明の場合)
まずは、<第一稿>です。
白紙の状態から文章を起こす段階です。
エネルギーを使いますので、気合いが必要です(笑
机に向かったら、まず準備からはいります。
設定表やプロットを読み返します。
いまから書くことについて、頭のなかで整理をしておきます。
スポーツ選手でたとえると、試合直前の準備運動のようなものです。
準備が整い、執筆に対する意識が高まってきたら、書きはじめます。
第一稿では、
- 速く書く
- 立ちどまらない
第一稿では、スピードが最優先です。
言葉を選んだりしません。
最初に思い浮かんだ言葉を、そのまま採用して書きます。
言葉に詰まったら、そこは赤字で〈保留〉と書いて飛ばします。
シーンがうまく思い浮かばないときも〈保留〉にして飛ばします。
少しでもとまりそうになったら、そこは〈保留〉にして、書けるところからどんどん書いていきます。
速く書くことを心がけると、「自分の言葉」で文章を書くことができます。
僕は以前に、
「『自分の言葉』って、なんだろう?」
と自問自答をくり返し、
「おそらく、最初に思い浮かんだ言葉が『自分の言葉』なんだ」
と思い至りました。
そのため、第一稿では言葉を選ばずに、最初に思い浮かんだ言葉をそのまま書くようにしています。
あとで推敲(すいこう)をおこなって文章の練り直しをしますが、全編をとおした『文体』は、第一稿で決まります。
文章に「自分らしさ」をだすためにも、言葉を選ばずに、速く書くことを心がけます。
*
ひととおり書き終えたら、<第二稿>に移ります。
第一稿を最初から読み返し、〈保留〉のところを穴埋めしていきます。
第二稿は「穴埋め作業」です。
書いているときにはいくら考えても思いつかなかった言葉が、
「全体ができあがっているなかの穴埋め」
というかたちになると、不思議なことに、しっくりくる言葉や表現がスムーズに思い浮かんできます。
最後まで「穴埋め」が終わったら、執筆は完了です。
2段階方式のほうが速く書きあげることができる
僕の場合は、
第一稿(速筆) → 第二稿(穴埋め)
という2段階で執筆をおこなっています。
「2段階で書くのって、時間がかかるんじゃないのか?」
そう疑問に思った人もいるかもしれませんが……
僕の場合は、この書き方のほうがずっと速く書き終わります。
とまっている時間がないからです。
つねに「書いている」か、「穴埋めをしている」か、そのどちらかですので、執筆がずっと進行しています。
結果的に、速く書きあげることができます。
また、
「最後まで書きあげることができずに、未完に終わってしまう」
というケースの多くが、行き詰まっている時間が長いことによって起こっています。
とまっている時間が長いと、モチベーションが低下して、そのまま挫折してしまうことがよくあるんですね。
ですが、
第一稿(速筆) → 第二稿(穴埋め)
という書き方をすると、とまることなく執筆しつづけることになりますので、最後までモチベーションを維持しやすくなります。
作品を完成させられる確率が、格段に高くなります。
「書く喜び」がなければ、小説の執筆じゃない
ここでご紹介した執筆の方法は、あくまでも「本条克明の場合は」という書き方なのですが、
- なかなか筆が進まない
- 遅筆だと言われる
- 最後まで書きあげることができず、いつも未完に終わってしまう
- 「自分の言葉」で文章を書きたい
という人には、参考になるところが多々あると思います。
書くことが苦痛であるのなら、小説を書く意味がありませんからね。
作家自身が夢中になりながら、最後までモチベーションを維持して楽しく執筆する――
小説の執筆は、やっぱりそうあるべきですよね(笑
→小説のモチーフを得る(1)
→小説の世界観・舞台を設定する(2)
→小説のキャラクター(登場人物)を設定する(3)
→小説のプロットを仕上げる(4)
→小説の執筆をする(5) 当記事
→小説の推敲・校正をする(6)
※「自分の言葉で書く」については、こちらをご参考ください
→『自分の言葉』で書く能力を養う文章練習法
更新
2018年8月21日 『自分の言葉』で書く文章練習法 へのリンクを追加。
2020年1月4日 黒い画面の鏡面化に関する記述を追加。
2024年1月7日 リンクを一部削除。
2024年7月27日 ページ内目次を追加。