2018年3月3日土曜日

モチベーションはどこからやってくるのか? 作品を完成させるために目標達成の秘訣を理解しよう


 前回の記事で、継続する心を身につけるためのアドバイスをいたしましたが――

こちらをご参照ください。
「飛躍点」を理解して、継続する強い心を身につけよう

 継続をするためには、モチベーション(意欲)が不可欠です。
 モチベーションがない状態で努力をつづけると、心に強い負荷がかかってしまうため、あなたの創作活動から喜びがうしなわれてしまいます。

 今回は、
「目標達成までモチベーションを維持する」
 ということについて、お話しいたします。


モチベーションは、心のこの場所からやってくる


 モチベーション(意欲)は、どこからやってくるのでしょう?

 その答えは『潜在意識』です。
 モチベーションは、潜在意識からやってきます

 どんなに意志の力が強くても、潜在意識が味方にならないかぎり、「やる気」や「意欲」はわきあがってきません。

 意識(顕在意識)というのは『心』のなかの一部分に過ぎず、大部分を潜在意識が占めているからです。

通常の意識(顕在意識)は氷山の一角にすぎない


 潜在意識が協力してくれなかったら、小説を書きあげることはもちろん、あなたが何を達成しようとしているにせよ、意欲的にとりくむのは困難です。
 心の大部分(潜在意識)が、活動していないからです。

 それじゃあ、どうすれば潜在意識を味方につけてモチベーションを高めることができるのでしょう?

 じつは、そこに「目標達成」の秘訣があるんですね。


モチベーションの正体


 ちょっとお訊きしたいのですが――

 今までに、↓こういう経験をしたことはありませんか?

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 長距離走の終盤、倒れそうなくらいに疲れ切っているはずなのに、ゴールが近づいてきたら、ラストスパートをする力がわきあがってきた。

 試験の最終日、連日のテストで精神的に疲れ切っているにもかかわらず、最後の科目は集中して答えを書くことができた。

 気持ちがはいらず嫌々やっていた仕事なのに、もうすぐ完成という段階になったら、夢中になって一気に仕上げた。
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 おそらく、ほとんどの人がこれと同様の経験をしたことがあると思います。
 人の『心』というのは、終わりが近づいてくると、モチベーションが上昇するようにできているんですね。

 なぜ、このようなことが起こるのでしょう?

 それは、終わりが近づくにつれて、「達成の瞬間」を潜在意識がはっきりとイメージできるようになるからです。

 スタートしたばかりのときは、ゴールが遠すぎるため、「達成の瞬間」を明確にイメージすることはできません。
 そのため、潜在意識のなかで「意欲」と「不安」がせめぎ合うような心理状態になります。

 モチベーションが低下しやすいのは中盤です。
 消耗してくるからです。
 疲れてくるしい思いをしているときなので、
「ゴールにたどり着くのはムリかもしれない……」
「ここまでしてつづける意味があるんだろうか……」
 と心が折れそうになります。

 ですが、ゴールが近づいてくると、
「どこにそんな力が残っていたんだ!?」
 と自分でも驚いてしまうくらいに、内側から『力』がわきあがってきます(笑

 終わりが近づいてくると「ゴールした瞬間」をリアルにイメージできるため、潜在意識が活発に動きだすからです。


 これこそが、モチベーションの正体なんですね。

 潜在意識が「達成した瞬間」をはっきりとイメージできるようになると、潜在意識は『イメージ』と『現実』のギャップを埋めるために、全力で活動をはじめます

 それがモチベーションとなって、あなたの背中を強く押してくれるんですね。


モチベーションを高めて維持する秘訣


 さとい方は、僕が何を言おうとしているのか、もうわかってしまったかもしれませんが――

「目標の設定というのは、現状から近いほうがいい」
 ということなんですね。

 人の『心』は、
「もうちょっとでできそうだ」
 とか、
「あと少しで完璧になる」
 と感じたときに、モチベーションが上昇するようにできています。

 ですので、
「ゴール(達成した瞬間)が少し先に見えるような、近めの目標設定が望ましい」
 ということになります。


 もちろん、「大きな目標をいだいてはいけない」という意味ではありません。
 それを一度に叶えようとすると、潜在意識の助けが得られにくい――ということです。

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 10キロの距離を競走するのであれば、分割して、それぞれに目標を設定してみましょう。

  • 最初の3キロは●●分以内に走る
  • 次の3キロは周囲との駆け引きをしながら▲位以内につける
  • 次の3キロは忍耐強い走りで順位とペースを維持する
  • 最後の1キロは残りの力をだしきってラストスパートする

 このようにすれば、目標が4つに分割されます。
 10キロ先のゴールは遠すぎますが、3キロ先のゴールなら潜在意識は明確にイメージできます。
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「小さなゴール」をひとつひとつ達成していくことで、「最終的なゴール」を達成する――
 このようなやり方をすれば、高いモチベーションを維持することが可能になります

 潜在意識が、すべてのプロセスで味方になってくれるからです。


作家は、長い作品のときほど当面のシーンに専念する


 もちろん、小説の創作においてもおなじです。

 たとえば、あなたが400字詰め原稿用紙(20字×20行の書式)換算で、500枚以上になる長編小説を書きあげようとしていると仮定した場合――

  • 全編を1章~10章に分割(各章 50~60枚ぐらいを目安)
  • さらに、各章のなかを5節、もしくは6節に分割(各節 10枚前後を目安)

 というように、本編を50~60個の節に分割します。

 そして、これから書くシーン(節)に全神経を集中させて書いていきます。
 その節が書きあがったら、今度はその次のシーン(次の節)に全神経を集中する――
 そのようにして創作にいどむと、長い物語であってもモチベーションが低下しないため、最後まで書きあげることが容易になります。


 僕だけではなく、ほとんどの作家が、おなじようなやり方で物語を完成させていると思います。
 さすがに500枚以上先にある「最終的な完成」を意識していたら、高いモチベーションを保つことはできませんからね。

 作家は「このシーンを書きあげること」に専念し、それを積み重ねることによって物語を完成させています
 つまり、当面の小さな目標をひとつひとつ達成していくことで、最終的な大きな目標を達成しているんですね。


モチベーションがあがっているときは、「心の力」が味方になっている


 いまのあなたから近い目標であれば、高いモチベーションを得ることができます。
 潜在意識が「目標を達成した瞬間」をはっきりとイメージできるからです。

 そして、モチベーションがあがっているということは、潜在意識が味方についている証拠でもあります。

 良いかたちで目標を達成できると思いますよ。


目標達成に関するほかのお話
「できることをやる」は最善・最強の目標達成法


更新
2018年8月12日 目標達成に関するほかのお話 のリンクを追記。
2019年6月5日 ラベルに「生き方、自己啓発」を追加。