2018年6月12日火曜日

音声読み上げソフトは誤字・脱字を解消する最強ツール


 僕が重宝している作家の道具に、音声読み上げソフトがあります。

 僕の場合、ワープロソフトは株式会社ジャストシステムの『一太郎』を使っているので、音声読み上げは「詠太(えいた)」でおこなっています。

『一太郎』の上位版(プレミアム版、スーパープレミアム版)を購入すると、読み上げソフトの「詠太」が付属しています。

一太郎の画面上部にあるメニューバーの[アドイン]から「詠太」を起動させることができます。


「詠太」はいい!
 ものすごくいい!

 いまではもう、「詠太」なしでの推敲(すいこう)、校正(こうせい)は考えられません(笑

推敲も校正も「文章を手直しすること」です。
 推敲は「表現や言葉の使い方の手直し」という意味合いが強く、
 校正は「字の誤りを訂正する」という意味で用いられます。


 というわけで今回は、
音声読み上げソフト(詠太)
 について、お話しいたします。


誤植は、作家にとって「あってはならないもの」


 出版業界には、「誤植は恥(ごしょくは はじ)」という言葉があります。

 作家や、書籍をプロデュースする側の人間にとって「誤字・脱字」というのは、「あってはならないもの」なんですね。


誤植を解消するために、音声読み上げソフトを試してみた


 とはいえ、人のやることですので、「誤字・脱字」を完全になくすのは容易ではありません。

 僕は、作家として自分の作品や文章から「誤字・脱字」を撲滅(ぼくめつ)する良い方法はないものかと模索をしました。
いまから5年前(2013年)のことです。

 その過程で、
「推敲や校正の作業には、『読み上げ機能』を使うといい」
 というアドバイスを受けました。

 それでさっそくフリー(無料)の日本語音声読み上げソフトをダウンロードして試してみたのですが――

 正直、いまいちでした。
 漢字の読みまちがいが多く、そのうえ、ひどい棒読みなんですよね(苦笑

 棒読みをされると、なんだか自分の書いた文章が駄文のように感じられます。
 作家にとって良くないですよね、こういうのは(汗

あくまでも個人の意見です。「棒読みなところに味がある」という意見もあるので、かならずしも棒読みの音声読み上げがわるいわけではありません。


 それで、もっと良い読み上げソフトはないものかと調べてみたら――

 僕がいつも使っている『一太郎』にあるじゃないですか!
 通常版ではなくプレミアム版を買えば「詠太」という読み上げソフトがついてくることを、おそまきながら知りました(苦笑

 そして、ネットで調べて、この動画にたどりつき――

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<関連動画>
自然で滑らかな音声読み上げを実現する「詠太」
JustSystems様の動画(YouTube)
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 いい!
 欲しい!
 いますぐ欲しい!

 という思いに突き動かされ、大急ぎで地元の家電量販店に買いにいきました(笑

 そして、さっそく使ってみたのですが――

 いい!
 ものすごくいい!

 もう、メチャクチャ感動しました(笑


「詠太」の読み上げに感動


「詠太」では、

MISAKI (はきはきした女性の声)
SAYAKA (落ち着きのある女性の声)
SHOW (はっきりとして力強い男性の声)

 という3種類の声を選択できます。
上記の話者は詠太3のものです。バージョンが新しくなるごとに話者は変更されています。

 そして、アナウンサーやナレーターが朗読しているかのように、とても流ちょうに文章を読み上げてくれます。

 口語体(話し言葉)の場合は、書き手がどういう感情を込めて書いたのかまでは判別できないので、ときどきおかしなイントネーションになったりします。

 ですが、文語体で書かれた論文口調の文章の場合は、ほぼ完璧なイントネーションで読み上げてくれます
 すごいッスよ、マジで。

 句読点以外の場所でも、単語や文節の境目を判別して少しを間をとるので、まるで息継ぎをしながら話しているかのようです。
 ほんとに、人が朗読しているみたいなんですよ!


 しかも、漢字の読み方がちがっていたり、発音がちがっていたりする場合は、
[辞書作成ツール]
 というのを選択して、正しい読み方を登録してあげれば、次からはちゃんと読んでくれるようになります。

 たとえば、僕の小説作品の『きみの微笑みが嬉しくて』では、
「暮咲さん」
 という名前がたくさんでてくるのですが、最初の設定だと、イントネーションがちょっと変でした。

『きみの微笑みが嬉しくて』は、現在、WEB小説としてこちらのサイトで公開しています。
恋とは幸せなものなんだ


 ですので、[辞書作成ツール]を使って、

  クレ^サキ

 と読むように登録しました。
「^」はアクセントのマークです。
『一太郎(ATOK)』では「あくせんと」と入力して変換するとでてきます。



 つまり、「クレサキ」の「レ」のところがアクセントになるように登録したんですね。

 これによって、次からは完璧なイントネーションで読んでくれるようになりました。
 ほんと、賢いよなぁ(嬉


テキスト読み上げソフトは、誤植を解消する強力なツール


 読み上げソフトは、文章を一字一句あまさず読んでくれますので、字の誤りに気づくことができます
「誤字・脱字」対策として、最強レベルだと思います。

 僕の場合、「詠太」にはメチャクチャ助けられています。
「詠太」のおかげで、推敲・校正の精度が飛躍的にアップしましたからね。

 僕にとって音声読み上げソフトは、「道具」というより「心強い味方」です(笑

 作家を志している方は、ぜひ音声読み上げソフトを試してみてください。
 きっと、あなたの創作活動の味方になってくれると思います。


推敲や校正で「詠太」を活用するお話
小説の推敲・校正をする (本条克明の小説作法6)

ワープロソフト『一太郎』に関するお話
ワープロは作家のバディ(相棒) 作家の道具の筆頭はワープロ



更新
2018年10月8日 文字の色拡張を一部変更。文章表現を一部改訂。
2019年7月28日 文章表現を一部改訂。誤植を一ヶ所訂正。
2019年7月29日 文章表現、空白行を一部改訂。
2023年11月19日 話者に関する説明を加筆。