この記事は、本条克明の覚え書き(忘れないように書きとめたもの)をそのまま掲載しています。
「覚え書き」なので、人に読まれることを意識して書いたものではないのですが、よろしければご参考ください。
※プロット(物語)作成に関する覚え書きはこちら
文章作成(執筆)に関する覚え書き
ページ内目次
会話が小説をおもしろくする
小説の魅力はなんと言っても会話だ。登場人物同士の会話が、小説をおもしろくする。
会話のシーン、会話による表現を活用する。
会話を使って話を進めていく――それは活字メディアである小説に適した表現であり、小説の醍醐味(だいごみ)だ。
会話をうまく使う。それこそが小説をおもしろくする秘訣(ひけつ)だ。
ボケとツッコミは、日本人にもっとも好まれる笑いであり、小説向きのユーモアだ。
会話で読者を楽しませるのに、ボケとツッコミはとても効果的な表現法だ。
心理描写で重要なのは、感情の描写
心理描写は、マインド(思考)の描写よりも、ハート(感情)の描写が重要。
登場人物の感情を伝え、読者の共感、感情移入をうながし、読者の心を動かす。
感情を描写する有効な方法として『表情』がある。
「表情は全人類共通」という心理学的な事実は、小説においても有効。
表情には感情を伝える力がある。
※「表情は全人類共通」については、こちらをご参考ください
(本条克明の恋愛小説、恋愛エッセイのサイト『恋とは幸せなものなんだ』より)
登場人物のリアクション
登場人物のリアクションは、伝えたいことを表現するための優れた手法だ。
登場人物のリアクションは、感情表現にもなれば、ユーモアにもなる。
登場人物のリアクションが、物語をよりおもしろくする。
続きが気になる区切り方をする
文章は、節(せつ)や空白行などでこまめに区切ると、より読みやすくなる。
そして、続きが気になるような区切り方をすると、一気に読んでしまうような、夢中になって読める文章になる。
続きが気になる区切り方の手法として、
●切りの良くないところで区切る
●重要なことをほのめかして(明かさずに)区切る(『謎』の要素で物語に引き込む)
などがある。
軽快に読み進めることができると、読者は「楽しい」と感じる
軽快に読み進めることができる文章は、それだけで読者に「楽しい」と感じさせる効果がある。
このテクニックは、「楽しいことをやっているときは、時間が短く感じられる」という心理作用を逆に使っている。
つまり、「こんなにも早く読み進められる(短時間でたくさん読める)のは、この作品がおもしろいからだ」と、読者の潜在意識に印象づけることができるのだ。
ゆえに、文章は読みやすく、軽快に読み進められることが望ましい。
軽快に読み進められる文章の手法として、
●一文一文を、短く簡潔に書く(ハードボイルド風の文章)
●可能なかぎり削って、文章をすっきりさせる
●地の文で「説明」をするのではなく、台詞や会話によって表現する
などがある。
※ハードボイルドの文章の書き方については、こちらをご参照ください
潜在意識に伝わる言葉の使い方
肯定暗示(自己暗示)のテクニックを活用して、潜在意識にとどく言葉の使い方を心がける。
●おなじ言葉をくり返すと、潜在意識に刻まれる
※名前の表記をくり返すと、その登場人物の存在感が増すためキャラを立たせることができる。
●肯定語で、ストレートな言いまわしをする
●文章にリズムをもたせる
※一文一文を短めにすることを心がけると、心地よいリズムになりやすい。
※名前の表記でキャラを立たせるテクニックについては、こちらをご参照ください
推敲・校正に関する覚え書き
推敲は完璧になるまで何度でもやる
推敲(すいこう)は、最初から最後までを通して、
「ひとつも修正するところがなかった」
となるまでくり返しおこなう。
推敲・校正(こうせい)の作業は、「文章が完璧になったら終了」であり、「完璧になった」という確信が得られたときに脱稿となる。
ルビ(ふりがな)は、推敲のときにつける
執筆(第一稿)の段階では、ルビをつけるのは特殊な読み方をする漢字だけにする。
それ以外の文字は推敲のときに、まとめてルビをつけるようにする。
それによって、同作品のなかのおなじ漢字にまとめてルビをつけることができるため、ルビをふったりふらなかったりの揺れをふせぎ、一貫したルビ表記ができる。
また、作業効率も良いため時間の短縮になる。
※ルビのつけ方については、こちらをご参考ください
目で読む推敲、校正を重視する
読み上げソフトに頼りすぎた推敲・校正をしていると、完璧はむずかしい。
読み上げによる推敲・校正と、目で原稿を読む推敲・校正の両方を、おなじくらいやる。
完璧な文章に仕上げるには、それぐらいの手間をかけるのは当然であると心得よう。
※読み上げソフトについては、こちらをご参考ください
※関連しているお話
(本条克明の恋愛小説、恋愛エッセイのサイト『恋とは幸せなものなんだ』より)