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2024年11月19日火曜日

いつもずっとポジティブでいる必要はない


 当サイトにて『喜び』の感情が大事だという話をしてきました。
 このメッセージは、今後も伝えていくつもりです。
『喜び=快』には、うつを克服するほどの『力』があるからです。

こちらをご参照ください


「喜べる心」を養い、『喜び=快』があることを重視する――
 その生き方を実践(じっせん)するうえで、知っておいてほしいことがあります。

 それは、
「いつもずっと『快』でいる必要はない」
 ということです。


心における両極の一体性


 自己啓発やコーチングなどを通じてプラス思考やポジティブシンキングをはじめた人は、このつまずきにおちいることがあります。
 つまり、「ずっとプラス思考でいなければならない」と思い込んでしまうのです。

 プラス思考の重要性を知ったことで、
「かたときもネガティブになってはいけない」
 という考えをいだくようになるんですね。

 ですが、この考え方は正しくありません。

 ずっとプラスのままでいるというのは不可能なうえに、精神的に好ましくないからです。


 ページ内目次


感情は『快』と『不快』のバランス


 人の心は、『快』と『不快』のあいだを揺れ動きます。
 どちらかいっぽうにとどまることはなく、それぞれの側を、行ったり来たりします。
 脳のなかの『快=喜び』を感じる場所と『不快=苦痛』を感じる場所が、おなじだからです。

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 ―<上略>―神経科学者は快楽と苦痛を処理する脳部位が重複していることを確認した。苦痛と快楽は相反過程のメカニズムで処理される。言い換えれば、快楽と苦痛はシーソーのように動くのである。

出典:『ドーパミン中毒』
アンナ・レンブケ:著  恩蔵絢子:訳
新潮新書(2022年)
(第3章の 同じ場所で処理される快楽と苦痛 より引用)
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『快』と『不快』――
「プラス思考」と「マイナス思考」――
「ポジティブ」と「ネガティブ」――

 人の心は、両極のあいだを揺れ動くことでバランスをとるようにできています。
 つまり、心を健全な状態にたもつには、ときどきネガティブになることも必要なんですね。


心のネガティブバイアスを反転させる


 心にかぎらず、『生』のすべてが両極のバランスで成り立っています。

 たとえば、呼吸は『吸う』と『吐く』の転換によって機能しています。
 人の心もそれとおなじで、『肯定(快)』と『否定(不快)』の転換とくり返しによって正常に機能します。

 呼吸の場合は『吸う』と『吐く』の割合が50:50(フィフティ・フィフティ)ですが、心の場合はどちらかいっぽうにかたよることができます。

 というより、人の心は、もともと否定の側にかたよっています
 心理学では「ネガティブバイアス」と言っているのですが、人の心は否定的な傾向があります。
 人間は賢(かしこ)くなったことで、みずから苦悩を生みだすように脳が進化したからです。

詳しくはこちらをご参照ください


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 いつも不安で、なげいたり、怒ったり、落ち込んだりしている。
 でも、ときどきは「うれしい」と思ったり、「楽しい」と感じることもある。
 といっても、それはつかのまのこと。
 まるで一時的な喜びがマイナスへの反動をつけたかのように、以前よりももっとおそれたり、もっとなげいたり、もっと落ち込んだり、さらなる『不幸』にさいなまれていく――
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 ほとんどの人が、このくり返しで生きています。

 ですが、否定の側にかたよることが可能なら、肯定の側にかたよることも可能なはずです。

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 いつも、楽しくて、うれしくて、やさしい気持ちを心にいだいている。
 だけど、ときには不安になったり、なげいたり、憤(いきどお)ったりすることもある。
 とはいえ、それはほんのつかのまのこと。
 まるで一時的な苦悩がプラスへの反動をつけたかのように、以前よりももっと楽しく、もっとうれしく、もっとやさしい気持ちになって、さらなる『幸せ』を実感する――
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 つまり、
「一年365日、ずっと良い状態でいることはできないけど、『快』の割合のほうが多くなるようにする」
 ということです。

 そして、その方法がプラス思考やポジティブシンキングであり、私が提唱する自己肯定暗示なんですね。

本条克明の『快』を呼び起こす自己肯定暗示法については、こちらをご参照ください


プラス思考やポジティブシンキングは義務ではない――楽な気持ちで実践しよう


怒るべきときに、憤る――
悲しむべきときに、泣く――
不安なときは、緊張する――

 それをおさえつける必要はありません。
 すべての感情が一体です。
 どれかひとつの感情を抑圧したら、すべての感情がとまってしまい、心の病の原因になります。

 どの感情も、欠けてはいけません。
 心には、すべての感情が必要です。

 要は、「割合に気をつけよう」ということです。

『不快』な状態よりも、『快』の状態のほうが多くなるように、意識的にポジティブでいることを心がけましょう。
 ときにはネガティブになってもかまいません。
『喜び』の割合が増えたのなら、それで充分なのですから。

 そう考えると、簡単ですよね(笑

 そして、『喜び=快』の割合が増えるにつれ、あなたの幸福度は上昇します。
 心のネガティブバイアスを克服し、『喜び』がメインの人生を、あなたは手にいれることができます。


関連しているお話

本条克明の自己肯定暗示法



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